toggle
2014-06-30

社会人1年目に聞く”はたらく”こと〜第10回 はたらくインタビュー【『ハタラクデアイ』公開インタビュー】〜


ハタラクデアイ

仕事帰りに「はたらく」について考えてみようというトークイベント「ハタラクデアイ」の第2回を開催しました。今回のテーマは社会人1年目。それぞれ個性を持った社会人1年目4名が、社会に飛び出し、1年が経とうとしている、この時期に、「はたらく」についての、喜び、悩み、将来の夢など、それぞれの1年と今を伺いました。


―最初に、各々の自己紹介をしたいと思います。まずは、一緒に司会をつとめる岡田さんから、宜しくお願いします。

岡田さん(司会):三重県出身で、タイの学校で日本語を教えていて、高校1年生~3年生まで、約70人の生徒の前で授業をしています。今は、一時帰国中です。学生時代に、様々なボランティア活動に関わり、色々な出会いを頂きました。例えば、愛フェスというイベントの学生部会や、大ナゴヤ大学のボランティアスタッフも経験しました。また、タイでの国際交流のイベントを体験して、国際交流は本当に面白いとかんじ、外国に友達ができる体験を、たくさんの若い人に知ってほしいと思うようになりました。それで今は、外国に友達を作って外国という考えを少し変えてもらうことを実践したくて、タイに活動のベースをつくりに行っています。

高橋さん(司会):大学生の頃から、地元名古屋で働きたいという想いがありまして、大学は東京でしたが、4年生の夏に、住んでいたアパートをひきはらって名古屋に戻り、大ナゴヤ大学というNPO法人でインターンとして関わることになりました。この経験の中で、NPOやボランティア活動の面白さ、地域で仕事をする楽しさを発見して、今の会社(フルハシEPO株式会社)に就職しました。今は、働きながらNPOやボランティア活動に関わり続けるために、大ナゴヤ大学や、名古屋市が募集している若者の政治啓発をしている青年選挙ボランティア、地元緑区の街づくり協議会に参加しています。働きながらも、地域のことをしたいなと思い活動しています。


岡田みなみ  高橋


―続いて、ゲストとして参加している4名に、自己紹介をお願いしたいと思います。皆さん、宜しくお願いします。

福井さん:株式会社リンクアンドモチベーションという会社で働いている福井慎也と申します。大学時代は東京にいて、毎日ブレイクダンスのことだけを考えていて、ダンスサークルのリーダーをやっていました。ここで、チームの雰囲気がいいと、自然と結束力が高まり、結果もついてくるという経験をしました。就職活動をしている時に、思っていたよりも社会人の皆さんは、楽しく働いていないなと思い、楽しく、いきいき働けるとか、人の良さが活きるような仕事をつくりだしたいと考え、今の会社に就職しました。そこで、人のモチベーションをあげるコンサルティングをしています。


坂川さん:坂川広行と申します。東和不動産株式会社で働いています。愛知県一宮市出身で、大学は広島に行っていました。大学では地理学を専攻しサンアンドレアス断層をはじめとする自然地形の調査でアメリカへ行き、2週間、研究室の仲間とレンタカーでカリフォルニア州をまわったりしました。また、映画も好きで、たくさんの人に映画を楽しんでもらうために、有名な監督をよんで、映画祭を開催したこともありました。色々活動をしてきましたが、就職を考えた時に、頭の中にあったのは、“地域”や“土地柄”でした。それで地域に携われる仕事がしたいと想い、駅前のミッドランドスクエア等を所有管理する今の会社に就職しました。名古屋の街に、何かしら自分の想いを形にしていけるような仕事ができたらと思っています。


福井  坂川


山田さん:株式会社パソナの山田卓哉と申します。出身は、北海道遠軽町で、大学は、青森県にある弘前大学に行きました。学生時代には、面白そうなことを沢山やってきましたが、1番力をいれてきたことは国際協力です。また、色々実施してきたことを1つにまとめたいと思いフリーペーパーの制作にも挑戦しました。フリーペーパーを制作することによって、色々な人を巻き込めるし、皆の好きなことを盛りこんでいけば、多くの人に見てもらえると思いました。社会人になってもこれまでやっていたように、面白いと思ったことに色々挑戦していきたいと思っているので、こういう場で、何か創れないかなと思っています。


所さん:所里帆と申します。㈱セレスポというイベント会社で働いています。皆さん、「ウガンダ」と呼んでください。中学2年生の時に、ふとしたきっかけでウガンダという国を知り、好きになりました。ちなみに、今日もウガンダの服をきてきました。中学でウガンダと出会い、高校は普通に過ごし、大学では国際協力を4年間勉強しました。直接現地に行って学ぼうと、ウガンダにも3回行って1ヶ月間ぐらい住んでいました。本当は、そのまま住みたいなと思っていたけど、大学の恩師に「お前は、個性的とか変人とか言われて、嬉しいかもしれないけど、それは宇宙人と一緒だ。地に足がついた、国際人になりなさい。」と言われて、その通りだなと考え直して、まずは就活をウガンダでしました。ウガンダに住んでいる日本人の方で、大学卒業後すぐにウガンダで活動している方、日本で3年~10年働いてからウガンダで活動を始めた方、それぞれのお話しを聞きました。社会人を経験している方は、お金の価値観が全然違うことに気づきました。問題が起きた時に、まずは税金を使わずに、そこに住んでいる方で、なんとかできないかと考える発想は、自分にはなかったですし、自分で企画書を書いてプレゼンに行ったりしている話を聞いて、今の私がここで活動しても、何もできずに終っちゃうなと思い、まずは日本で社会人になろうと決意しました。


山田  所


―共通点は、社会人1年目ですが、話を聞いてわかると思うのですが、やっていることも考えていることも違う、2名の司会と、4名のゲストが、社会に出てどんなことを思っているのか、辛いことはないのか等を、聞いていこうと思います。それでは、まずはじめにお聞きしたいのは、入社前の仕事のイメージは入社してから変わりましたか?ギャップはありましたか?

福井さん:もともと今の会社でインターンとしてアルバイトをしていたのである程度様子がわかっていましたが、仕事って難しいなというのが率直な感想です。例えばホウレンソウ(報告・連絡・相談)など、当たり前のことができないです。

坂川さん:コミュニケーションの概念が変わりました。以前は飲みニケーションのように飲み会で仲良くするというぐらいに思っていました。会社では情報をより早く正確に伝えなければならないけれど、上司が忙しいそうにしていたりすると聞くのをためらってしまうこともあります。そんなときにコミュニケーションの難しさを感じます。

山田さん:自分が思っていたよりもやりたいことがやれないなと感じています。自分の思い描いていたことがカタチにできない現実にもがいています。

所さん:先ほどの坂川さんとの話とかぶるところがありますが、新人だからわからないことも多く、なんでもすぐに上司に聞いていましたが、先輩から「まずは自分で考えてから聞きなさい。」と言われ、コミュニケーションについてすごく考えさせられました。


―今のお話を受けて、みなさんが、就職活動中に思い描いていた夢と現実のギャップに、どのように対処しているのか教えて下さい。


山田さん:僕は対処できていません。自分は何でも正直に伝えてしまうことが多いです。けれども自分が言いたいことを同期が言ってくれたり、反対に同期が思っていることを自分が言うことによって、一人で訴えていくよりずっと気持ちが緩和されます。

福井さん:就職活動中に思い描いていた夢ってとても大事だなと思います。とはいっても社会人1年目は基本的に何もできなくて、目の前のことを確実にやるしかありませんが、それだけやっているとすごくつまらないです。そんな中、学生時代にこんなことをやりたかったなということをずっと頭の中で思い描いていると、目の前のことが受け入れられます。将来のことを考えつつ、目の前のことを考えると、切り替えができますね。

坂川さん:その考え方、すごくよくわかります。僕の会社は1フロアに社員全員が納まるほど小規模なので、周りからよく見られているなと感じます。将来の大きな夢を実現するために今何をすべきか考えたとき、その人達にどれだけ信頼してもらえるか、そういうことを考えるようになりました。自分の将来やりたいことを実行しようと思ったとき協力してくれる仲間・ヒトを見つけることは大事だと思います。根回しというと悪く聞こえますが、それをすることによって仕事においてもやりたいことができるのではないかと感じています。


―それぞれみなさん学生時代の頃からの夢があるようですが、社会人を経験して抱いた希望、または会社でやってみたいことはありますか。

坂川さん:僕が勤めている会社は名古屋駅前でビルの開発や管理をしています。今、名古屋駅周辺は大掛かりな工事していますが、2016年頃には景色が一変して大きなビルがたくさん立ち並びます。そのビルを複数会場として一つのイベント、もっというと映画祭がしたいです。名古屋駅にレッドカーペットをひいて、いろんな俳優や監督を呼んだりして。学生時代を引きずった夢ではあるんですが、僕の会社は名古屋駅前地区街づくり協議会の事務局をしていて、いろんな会社に働きかけられる立ち位置にあり、協議会が存続していけばそんなこともできるのかなと思っています。そういうことを考えながら仕事をしていると楽しいです(笑)

福井さん:僕は最高にいい会社をつくりたいです。企業のサポートというよりもコンサルティングという立場で、会社で働く人が「仕事が本当に楽しい」と心から感じてもらえるような会社を手がけたいと思っています。
また、この街にいつか恩返しがしたいなとも思うようになりました。
これまでずっと東京都葛飾柴又に住んでいて、名古屋に来て半年が経ちました。その間にいろんな出会いがあり、おいしいごはんやお酒にも巡り合い、名古屋はとてもいい街だと感じています。この街で、みんなにすごいなと思ってもらえるような会社が作りたいです。その会社をモデルケースとして、みんなが楽しく働ける社会をつくりたいというのが僕の夢です。

山田さん:僕は今の会社でどうなっていこうというイメージは明確にはありません。けれども今の会社に勤めていなければ名古屋にも来ることはなかったと思います。せっかくなら会社をいい意味で利用して、ここでしっかりと縁をつないでゆき、おもしろいことがしたい、これがやりたいと自分が思ったとき一緒につくり上げる仲間を得たいです。

所さん:私はウガンダにとどまらず、アフリカという国のすべてが大好きです。水と油に触媒が入ると混じわるように正反対なアフリカと日本という国をつなげるような人に私はなりたいです。
将来的には青年海外協力隊に参加するなど、アフリカで現地の方と一緒に生活をし、帰国した後はアフリカのカタリストとして想いをカタチにするようなことがしたいです。起業して、ソーシャルビジネスとしてやっていけたらと考えています。
そのためにも今の会社で熱い心と冷たい頭を身につけ、修行を積もうと思います。
今でもその夢に心が揺らぐことがありますがこの社会人生活でぶれない軸をつくりたいです。


ハタラクデアイ  ハタラクデアイ

―最近のニュースを見ると、就職活動は大変でネガティブなイメージに捉えられがちですが、これから就職活動をする方が希望のもてるような前向きなお話ですね。ちなみに、みなさんはどのようなモチベーションで就職活動をしていましたか。

福井さん:僕も4年の4月ぐらいまで内定先が決まっていませんでした。よくよく考えると、就職活動において上っ面なことしかしていないと気づきました。面接においては「がんばります」とかすごくきれいなことしか話していなかったように思います。そんな中、今の会社の説明会に参加し、お話の中で「企業とは社会に対するメッセージを発信する場所なんだ」という言葉を聞いたときハッとさせられました。企業とは自分がもっとこうしたい、こうなればいいということをかなえる場所だというその言葉が頭に残り、自分は本当は何がしたいんだろうかと改めて考え直しました。その結果、人を本気にさせることが心からしたい!と想ったとき、今の会社に内定をもらいました。心からやりたいことが見つかったとき就職活動がおもしろくなるんじゃないでしょうか。

坂川さん:僕は10社程度しか会社を受けていません。自分のやりたいことが明確にあってなおかつ名古屋で仕事をしたいという想いがあったので、会社が絞られました。その中でも今の会社が第一志望でした。自分が学生時代にやってきたことと、今の会社の取り組みがフィットしていたことが、内定につながったんだと思います。

山田さん:僕は就職活動中、シティボーイと対決しようと上京し、東京のシェアハウスで生活をしていました。そのシェアハウスには北は青森、西は京都から多くの学生が集まり、その3ヶ月間は毎晩飲み会で、就職活動が楽しくてしょうがありませんでした。全国の知らない人と友達になれるし、わくわくするような肯定的な話ばかりで日本の将来は明るいなとも感じました。周りも就職氷河期で絶望している若者が全くいませんでした。
そんな仲間はIT業界に就職していき、自分もIT業界に入ろうとしましたが、みんなと同じ業界に行って同じことを勉強してもおもしろいことできない感じ、まったく違う業界を選びました。4年生の4月に3つほど選考に残り、中でも夢を持った学生が集まっていた今の会社を選びました。同期には今でもわくわくさせられます。

所さん:私は4年生の4月から就職活動を始めるという遅すぎるスタートをきりました。大手や銀行関係の求人はすで終わっている時期でしたが、自分は日本で活動しようかウガンダに行こうかずっと悩んでいて、いろんな分野の方と会ってお話を聞いたりしていました。話の中で、イベント会社は国際協力と通じるところがあると気づきました。イベントはイレギュラーなことも多く、その地域の特長を生かしたものにしなければならないので国際協力に似ていると。勉強をするつもりで今のイベント会社で働くことを決めました。


―ボランティアや海外経験を持つ学生が最近多いですが、学生時代の経験が社会人になって生かされたことってありますか。

所さん:私は営業担当ですが、積極的に人と話すことができます。それは学生時代に国境を越えたコミュニケーションをしてきたからこそと思います。
他には、会社で保健所対策のイベントがあった際、タンクを置くためにひたすらポリタンクに水汲みをすることがありましたが、アフリカでの水汲みを思い出し、重労働も苦に感じず、周りからも褒められました。

山田さん:僕は学生時代、いろんな活動に顔を出していたので、知らない土地に転勤した今、その経験が活きています。

坂川さん:実際生かされていることは少ないですが、しいて言うなら、こういう場で話せるということです。

福井さん:ブレイクダンスのダンサーとして40人ぐらいをまとめてきましたが、文化祭のショーまでの約3ヶ月、発表間近まで完成せず自分の中で不安を抱えていたとき、周りに助けられた思い出があります。ひとりではなにもできないということを実感したので、会社においても、迷ったらすぐに聞くという姿勢が身につきました。


―学生に一番立場の近い社会人として、今の大学生にどのように学生生活を過ごすべきだと伝えたいですか。

岡田さん:今の私は大学生活でやってきたことがすべての基盤となっているので、興味のあることは何でもやってみるべきだと思います。大学生は考える時間がたくさんあるので、なりたい自分というのを考えながら行動に移すといいと思います。

高橋さん:学生は失敗しても許される立場なので、サークルでも無茶な飲み会でもどんどんチャレンジしてほしいです。社会人1年目の人に対しても、もちろん自分自身もそうですが、ミスを恐れず挑戦する姿勢を大事にしたいです。

福井さん:1回苦労するべきだと思います。社会人になると学生時代の苦労なんて甘いものだと感じます。やりたいことがあってもなかなかやれないことも多々あります。だからこそ、レンタカーで日本1周だとか、リーダーだとか自分が少しでもやりたいと感じたらやるべきです。新しいことをやり始めると、必ず苦労や壁が立ちはだかります。僕自身、それを乗り越えた経験が今の自分の糧となっています。

坂川さん:今社会人になるのが不安な方は年上の方と話す機会を持つべきです。たとえば大ナゴヤ大学のような幅広い年齢の方が集まる場に出て、話し方や接し方を学ぶとよいのではないでしょうか。

山田さん:論文をちゃんと書くべきだと思います。論文を書くことで考える力が養われるはずです。就職活動の面接で、面接官から学生時代に何を勉強していたかと聞かれたとき、適当に論文を書いてしまった人は返答に困ります。もし、自分に突出した経験がないと感じたなら、しっかりと論文を書いてみてください。初対面の同期との会話でも、何を勉強してきたかは必ず話題に上がります。

所さん:お金がないということを言い訳にしないということを伝えたいです。学生はお金は無いけれど時間があり、社会人はお金はあるけれど時間は無いです。やりたいことがあればアルバイトを週に5回入るだとか親に懇願してでもやってみるべきです。

ハタラクデアイ  ハタラクデアイ

―最後に、皆さんにとって、“はたらく”とはなんですか?

福井さん:私の考える“はたらく”とは、”プロセス”だと思っています。自由を手に入れるため、お金を手に入れるため、共感を得たいため、賞賛を得たいため、何かを実現するためのプロセスであり、けっして働くこと自体が目的ではないです。だからこそ、働く上では、自分が何をしたくて、何のために働いているのか、特に想いの部分を忘れてはならないですし、仕事もプライベートもその目的のために自由にやり方を変えながら生きていくことが必要なのだなと感じています。

坂川さん:現時点では「社会勉強」です。普段の業務の中でも、まだまだ知らないこと、経験不足な事ばかりで、学びの毎日です。ただ、将来的には、「生き甲斐」と言えるようになりたいです。

山田さん:自分にとっての働くは、「生きることを楽しむ要素」です。そういう風にしたいですね。

所さん:私にとって“はたらく”とは、修行です。

高橋さん:はたらくとは、自分の夢や目標と向き合い続けることだと感じました。だれでも夢や目標がある中で、時には意にそぐわない業務もしなければならないこともあると思います。そんなときでも常に自分の夢や目標を忘れること無く向かい合い続け、実現に向けて行動していくことが大事だと感じました。

岡田さん:私にとってはたらくとは、人生です。尊敬している先生が、「仕事とは人生だ。」っておっしゃったのが今でも心の中にあって。実際社会にでて働いてみると、そう考えながらやってみるだけで、ひとつひとつのことに妥協しなくなるし、丁寧に温かく仕事に向き合える気がします。



―社会人1年目の率直な話しを聞いて、今一度、自分自身の“はたらく”ことを見つめ直すことができました。社会人になり日々の業務に追われて、“はたらく”ことの目的を忘れがちになってしまいますが、たまには初心に戻って自分の“はたらく”を振り返ることも大切だなと感じました。また、将来のことを見つめながら今を見ている、社会人1年目のメンバーがそろっていて、その感覚は見習っていきたいです。-


取材日:2014年03月20日/記事:水谷仁美、大野嵩明/写真:前田智絵 /校正:前川みどり