toggle
2015-05-05

社会人1年目に聞く”はたらく”こと〜第14回 はたらくインタビュー【『ハタラクデアイ』公開インタビュー】〜


ハタラクデアイ
 
仕事帰りに「はたらく」について考えてみようというトークイベント「ハタラクデアイ」の第3回を開催しました。昨年3月に開催した第2回「ハタラクデアイ」の続編で、今回も社会人1年目を終えたばかりのメンバー4人がゲストです。第2回でゲストとして登壇したメンバーは、今回から企画・運営に関わり、司会も担当しています。社会人になり1年が経過したこの時期に、“はたらく”ことについて伺いました。

―司会(坂川さん):今日は、この5名の皆さんとトークをしてきたいと思います。最初に、それぞれの自己紹介をお願いします。

片野さん:こんばんは。株式会社S-pointというヘヤギメやリミテッド名古屋という不動産賃貸をやっている会社で、企画部の秘書として働いている片野礼菜と申します。宜しくお願いします。

中村さん:株式会社三晃社という広告代理店で働いている中村拓史と申します。名古屋の観光を盛り上げるプロジェクトを運営する部署で企画営業として働いています。趣味は“よさこい”です。宜しくお願いします。

西村さん:はじめまして。こんばんは。西村翔平と申します。ジェイアール名古屋高島屋の紳士グッズ売り場で働いています。学生時代は、ナゴ校という学生団体で、テレビ塔を拠点に色々なイベントを開催していたので、こういうイベントはすごく大好きです。また後で皆さんと交流できたらいいなと思っています。宜しくお願いします。

本多さん:はじめまして。株式会社R-proでデザイナーとして働いている本多由季と申します。デザインの会社ですが、yamoryというボウサイをオシャレにかっこよく伝えることもプロジェクトとして行っている会社です。

片野さん、中村さん

司会(所さん):自己紹介全員終りましたね。聞いてもらってわかるように、業界も違えば、キャラも違い、それぞれ色んな思いがあって“はたらく”ということと向きあっています。ここからは少しテーマに沿ってお話しを聞いていこうと思います。自己紹介の中でも話しがあった方もいますが、もう少し深く聞きたいので、そもそも今の仕事についたきっかけを教えてください。

西村さん:私の場合は、学生の時は理系の工学部だったので、基本的にパソコンをカチャカチャやるか回路をいじくるかでしたが、百貨店という畑違いのところに就職しました。学生の時、研究はやっていたのですが、なかなか没頭できなくて、ナゴ校という学生団体で、沢山の人とコミュニケーションをとりながら1つのものを作っていく経験を通じて現場が大好きになりました。それでたくさんある仕事の中でも現場で活躍したい、人と繋がれる仕事がしたいと思い、色々受けた中で百貨店がヒットして今の仕事に出会いました。

司会(坂川さん):百貨店というときらびやかなイメージがあるのですが、その辺にひかれたとかもありますか?

西村さん:百貨店というかファッションに全く興味がなくて、いつも同じような服ばかりきている典型的な理系人間だったので。純粋に人と関われる仕事がいいなと思って選びました。

司会(坂川さん):順番にいきましょうか。本多さんお願いします。

本多さん:私は大学でデザインの勉強をしていて、その時にデザイン会社でアルバイトしていました。そこで経験したモノを売るためにデザインをすることもいいなと思うのですが、そこよりももう少し社会的に人に与えるデザインは何かないのかなと考えていた時3.11の東日本大震災が起こりました。その辺りからデザインでもっと人の役に立つようなことができるのではと思いまじめ、今の会社の「yamory」というプロジェクトがやっているイベントに参加しました。そこからプロジェクトに関わるようになって今に至るという感じです。採用活動は、今の会社は特に行っていないので、そういうかたちで今の会社に入りました。

司会(所さん):ちなみに、今いる会社の社員は何名ですか?

本多さん:会社全体で4名です。

司会(所さん):そこに不安を感じなかったのですか?

本多さん:不安を感じるというか、やっていることが面白そうだということが1番ひかれた理由なので、自分で仕事を作っていけるだけの力を身につければ、きっとこの会社でもやっていけると思っています。

西村さん、本多さん

司会(所さん):こんなはたらき方、選び方もあるんだなと、本多さんをみていると思います。震災の影響を受けて仕事を選んだというところで、なるほどという感じだったのですが、そんな中で続いて片野さんは、どのような経緯で今の仕事を選ばれたのでしょうか?

片野さん:S-pointという会社で、秘書、広報、人事とか総務とか色々やっています。私たちの時は、12月から就活がはじまって、でも就活をずっとしていなくて、夏になってしまいました。人見知りがすごくて、説明会や面接に行くのがすごく嫌で就活をしていなかったのですが、ゼミの先生に明日から就活しなさいと言われまして・・・・。それで、1番上に掲載されていた会社の説明会を予約しました。その会社が今働いている会社です。どんな仕事につきたいかというよりもどんな自分になりたいかを重視していて、皆を幸せにできる仕事がしたいと考えていたので、今の会社を選びました。

司会(所さん):就活はマッチングとか自分と合っているかと考えると思いますが、タイミングで決める仕事の選び方もあるわけですね。それでは、中村さん、どうぞ。

中村さん:私は、12月に就活がはじまって、ガンガン合同説明会や説明会に行き、面接もたくさん受けて、広告業界は厳しい業界で倍率も高く苦労しましたが、その中で内定をもらえた今の会社で働いているのですが、小さい頃からマスコミとかメディア関係に憧れていました。大学生の時に、フリーペーパーをコンセプトからつくり上げていくインターンシップを経験したり、趣味の“よさこい”も自分たちで一からつくり上げていくもので、自分たちでアイデアを出して何かものをつくり上げていくことがすごく楽しくて、広告代理店は、世の中に何かを仕掛ける側の仕事で、それがすごく楽しそうだなと思ったので広告代理店に就職しました。

司会(坂川さん):あつい気持ちを持って入社したと思いますが、実際に一年間働いてみて、はたらく前とのギャップは感じていますか?

中村さん:そうですね。入社前にも広告代理店はきらびやかな世界ではないよ、大変なことばかりだよと聞いて、実際に現場が多かったりして休みがとれなかったり、企画の仕事もしているのでアイデアが浮かばないということがあったりして大変な部分もありますが、イベント運営に関わったり、まだ実現していませんが自分で企画したものが世の中に出る仕事なので、一から何かをつくり上げていけるという部分ですごくやりがいのある仕事だなと日々思って仕事をしています。

野上さん、司会

司会(坂川さん):本多さんに質問です。デザイナーという仕事は、プライベートと仕事を分けづらいと思うのですがいかがですか?

本多さん:パソコンがあれば家でも仕事ができるし、デザインの仕事はこれをやったら終りというのもありますが、私は学びながらやっているのでプライベートと仕事がごっちゃになることが多いですね。土曜にイベントが入ればそこにいなければいけないので、プライベートと仕事はほとんど分かれていないです。

司会(所さん):西村さんはどうですか?

西村さん:完全に分けようと意識しています。仕事する時は、仕事モードに入って集中してやって、プライベートの時間も絶対守りたいのでできる限り残業もしないです。残業しても1時間ぐらいにおさえています。ただ、人前にでる仕事なので、スーツとか私服も結構気を使わないといけない部分があり会社で服を買ったりすることもあるので、そこがプライベートに関わってきて・・・。でも、最近そこは吹っ切れた感じですね。今日も全身高島屋コーディネートですし。(笑)

ハタラクデアイ

司会(坂川さん):社会人になって良かったと思ったことやこれは成長したなとか、学生の時からの変化があれば教えてください。

中村くん:1番変わったことは、情報収集をするようになったことです。休みの日も、何処かに遊びに行ったら観光関連のパンフレットを絶対もらってくるとか、犬山城や市内の観光施設に行ってみるとかしています。インターネットでも、学生の時は自分の見たいページしか見ませんでしたが、観光関連や広告系のページを見るようになりました。そういった仕事に関連する情報収集をするようになったことが一番大きな変化ですね。

片野さん:社会人になるまですごい人見知りだったのですが、大学の専攻が心理学科で、そこで、人見知りの人は自分にことしか考えてなくて、他の人のことはどうでもいいと思っているということ習いまして・・・。これはやばいと思い社会人になってからは、気遣いの仕方をすごく勉強しました。

本多さん:大学はデザイン科にいたので、ここにデザイン科の方がいないとあまり参考にならないかもしれませんが・・・。デザインは学校だと課題として出されるので、自分の力にはなるけど、気持ちが向きません。お客さんという相手がいて、そこに向かってつくることによって、いいものをつくろうという気持ちになります。人に向かう気持ちは社会人になって変わったなと思いました。

西村さん:変わって良かったなと思うことは、まず外見ですね。ファッションは全然興味がなかったので、入社した当初は髪型変えろとか、スーツを着ろとか、毎日のように言われていました。最初は、嫌々やっていましたが、のめり込んでファッション雑誌とかを読んで、自分でも気にするようになっていくと、周りの人達から「いいね!」と言ってもらえるようになり楽しくなってきて、自分のファッションに自信が出てきたところはすごく良かったです。内面の部分では、学生時代は、自分のやりたいことをつき通していく感じでやっていましたが、社会に出てからは、そればかりではうまくいかなくて、どうしたら自分の行動がお客さん、会社の仲間、メーカーさんにとってプラスになるかということを考えるようになりました。

司会(所さん):学生の時は自分が楽しみたいことをやってきたけど、今は、まわりを楽しませたい、幸せにしたいが共通なのかなと思いました。まだまだ、話を聞きたのですが残り時間が少なくなってきたので、あと2つ質問をさせてください。今後、自分は「どうなっていきたいか」を教えてください。

片野さん:先程も言いましたが、皆を幸せにできるようになりたいです。

中村さん:会社で認められるような実績をつくります。

本多さん:ボウサイにもっと興味を持ってもらえるような活動をできればと思っています。

西村さん:私は、人をワクワク・ドキドキ・楽しませる歩くテーマパークになりたいと思っています。

ハタラクデアイ

司会(所さん):最後に、皆さんにとって“はたらく”とは何かを教えてください。

中村さん:私にとっての“はたらく”は、やりがい半分、しんどさ半分です。満足感を得ている時は、すごくやりがいがあると思いますが、その反面しんどいと思う時もすごくあって、それが今は半分半分、たまに60%になったり、40%になったりという状態です。

西村くん:私にとっての“はたらく”は、人生を豊かにするミニゲームと考えています。少しさめた考え方かもしれませんが、はたらくことは、人生という長いゲームの中の自分の人生を楽しくする、何かしたいことをするための一つの手段にしかすぎないと思っています。ゲームに例えるとミニゲームの一つで、これをやることによって経験値やお金が増えて、それを使って何をするのかという部分にかかっていると思うので、はたらくことは、目的を達成するための1つの手段と考えています。

本多さん:私にとっての“はたらく”は、つくることです。デザイナーとして制作物をつくることはもちろんですが、相手との関係性をどのようにつくっていくかも大事だと思っています。今日も色々な方とお話しましたが、相手との関係性をつくっていくことで、その後も続いていきます。良い関係性をはたらきながらつくっていければと思っております。

片野さん:私にとっての“はたらく”は、成長です。失敗しない人生よりも後悔しない人生の方がいいので、失敗しても次に活かして毎日成長していくことが“はたらく”だと思います。

―今年の社会人1年目の方は、震災の影響を受け自分自信の進路を決めている方が何名もいて、自分たちが就職した時とは違った価値観を持ってはたらいているんだなと、改めて実感しました。社会人1年目のハタラクデアイを続けていくことで、どんな価値観を持ってはたらくことを選んでいるのか?っといったことに変化はあるのか(あるいは変化はないのか)を見ていくと、未来のはたらくを考える中で、何かヒントにならないかなと思っています。また、はたらくと向き合う時間をとることで、その場に関わった方々の意識がどのように変化していくのかも、ゆっくりと見守っていきたい思います。-

取材日:2015年04月08日/記事:大野嵩明/写真:近藤喬 /校正:はたらく課メンバー

>>第1回 ハタラクデアイ(まちでお店をやること)
>>第2回 ハタラクデアイ(社会人一年目)