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2024-03-21

変わり目を迎える港まちの、これからを一緒に考える人|港まちづくり協議会


※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

名古屋の港まちエリアで、住民・行政と協働でまちづくり事業を行う「港まちづくり協議会」(以下、まち協)。新たに、この春から一緒に活動する常勤職員を募集します。

地下鉄名港線「築地口」駅を降りてすぐ、老舗店が並ぶ商店街へ。自分の地元ではないのに、なんだか懐かしい“地元っぽさ”を感じる風景。その中に溶け込むように建つ、旧文具店をリノベーションした「港まちポットラックビル」がまち協の拠点です。

前回、2023年3月に非常勤職員の求人記事を掲載しましたが(過去記事はこちら)、今回は週5日働く常勤職員を募ることになりました。この1年でどんな変化があったのでしょうか。

笑顔で迎えてくれたのは、大西未来さん、小田ビニシウスさん、西村隆登さんの3人。最も在籍歴の長い大西さんは、アルバイトからスタートして非常勤職員から常勤職員へ、そして現在では事務局次長を務めています。小田さんは常勤職員で主任。西村さんは2023年9月から非常勤職員として働いている、期待のニューフェイスです。

まずは大西さんに、まち協の事業の全体像についてあらためて教えていただきました。

「まち協では、『なごやのみ(ん)なとまち』というコンセプトを実現するため、『○暮らす、△集う、□創る』の3つのテーマに沿って、毎年30以上の事業を展開しています。例えば、心地よく安心な港まちで『暮らす』ために、『みなとまちBOSAI』として防災を楽く学んで実践する場を設けたり。魅力的でにぎやかな港まちに『集う』ために、地域のヒト・モノ・コトを取り上げたミニツアー『みなと A GO GO!』を開催したり。みんなと港まちを『創る』ために、ポットラックビルを会場に地域の情報発信をしたり…」

ほかにも、子育てや高齢者支援、アートや音楽を活用したまちづくりなど、事業のバリエーションは多種多様。それに伴い、企画調整からイベントの当日運営まで、携わる業務も多岐にわたります。

「新しい職員さんには、まず一通りの業務のサポートを経験して、まち協の事業への理解を深めてもらいます。業務に慣れてきたら、その人の特性や全体のバランスを見て、メインで任せるプロジェクト、少しずつ分担するプロジェクトなど、担当を決めていきます。人前に立つのが好き、デザインが得意など、個々の長所を生かしながら、いろんな経験を積めますよ。まちづくりに興味があり、まちの人とのコミュニケーションを楽しめる人なら、特別なスキルは求めません。自分の得意分野がわからないという人も、ここで働くうちに方向性が見えてくるかもしれませんね」と大西さん。

「ただ、一般的なPCスキルは必要ですね。行政への提出用資料の作成もお願いすることになるので、事務作業にある程度慣れている人だとありがたいです」と加えます。

この日、ポットラックビルの2階では、なにやら展示の準備を進めていた様子。

「今日は、まち協が発行する『ポットラック新聞』のこれまでを振り返るアーカイブ展の準備をしていたんです」と説明してくれたのは西村さん。こうした展示の設営・片付けも、職員の仕事の一つです。

ポットラック新聞は、全国向けに年3回発行している『タブロイド』と、港まち限定で毎月発行している『かわら版』の2種類のフリーペーパー。港まちの出来事やまち協の活動を伝えています。タブロイドの20号目が完成し、今後の広報物を考えるために、トークイベントなどを行う展覧会を開催することになったのだそう。

「午前中は、近所の幼稚園で父兄向けの防災啓発企画としてドキュメンタリー映画の上映会に立ち会ってきました。まち協の業務内容は、その日ごとに全然違いますね」

ちなみに西村さんは、岡崎市の市民団体でもまちづくりの活動をしているのだとか。今は、2つのまちを行き来しています。

「他の場所でも、まちの人に近い立場でできる仕事がないかなと探していたときに、知人の紹介でまち協を知りました。正直、まだ慣れないこともいっぱいあります(笑)でも楽しいですよ。今年は、いろんな面白い人たちに会って、自分も面白い人になることが目標です」

まち協でなら、あっちにもこっちにも、経験の幅が多方向に広がりそうです。

まち協ではここしばらく、大西さんの事務局次長就任や西村さんの入職など、いくつかの転機が続きました。実は、2023年度末には、週3日勤務していた非常勤職員2人の卒業も決まっています。それぞれ、1人はイラストレーターやアーティスト、1人はフォトグラファーとして、今後は専門分野に力を入れていくことに。そのため、職員の席からは離れ、まち協への関わりは不定期になります。

「空いたポジションに入ってくれる人は、週5日勤務の常勤職員が理想ですね」と大西さん。

なぜなら、まち協が今後さらなる転機を迎えるにあたり、じっくり港まちと向き合える仲間が必要になるからだとい言います。

まち協では、2013〜2018年度、2019〜2024度と、5年ごとに事業展開を描いたビジョンブックを刊行してきました(『み(ん)なとまちVISION BOOK 2019-2024』はこちら)。目標年次として一区切りが付く2024年度は、今後のビジョンを再構築していく節目の年になります。

これからどうビジョンを変えていくのか、いつから新しいビジョンを導入するのか。具体的なことはまだ未定。地域の人たちや有識者と話し合って決めていくそうです。新しい職員さんも、その輪に入って一緒にビジョンを考えていくことになります。

さらにもう一つ、まち協にとって大事な転機がこの先に待っているそうです。大西さんは「ポットラックビルのすぐ近くに、競艇の場外発売場『ボートピア名古屋』があるのをご存じですか?」と切り出します。

まち協は2006年のボートピア名古屋開設から始まった団体。蒲郡市など競艇を施行する自治体から「環境整備協力費」として売上金の1%が名古屋市に交付されることになり、これを原資としてまち協の活動がスタートしました。ただ、競艇ファンの高齢化や、コロナ禍をきっかけに舟券をWEBで購入する人が増えたことなどの影響で、ボートピア名古屋の売り上げは年々減少傾向にあります。下げ止まりがいつになるのかもわからない。もしかしたら、止まることはないのかもしれない。となれば、まち協が10年先もずっと活動していける保証はありません。

「だからこそ、もしもまち協がなくなったとしても、港まちに住む人・関わる人が主体的に活動を続けていけるような仕組みづくりが必要なんです。新しい職員さんも、地域の人たちをサポートしながら、こうした課題について一緒に考えてもらえたら」

地域の人たちとどんなふうにコミュニケーションをとれば良いのか、慣れるまでは大変そうにも思えます。まち協で働いて約3年、今ではすっかり馴染んで、港まちでは「ビニちゃん」という愛称で親しまれている小田さんに話を聞いてみました。

「多様な人がいる中で、それぞれの思いを理解した上で接するのは、最初は難しいですよ。相手によって、適切な距離感も違います。でも結局は、普段から積極的に挨拶をしたり、笑顔で接したり、基本的なことが大事。ただ、まちの人に個性があるように、私たち職員にも個性があるので、『こういうときは大西さんから話してもらったほうが伝わりやすいだろう』とか、場合によってはコミュニケーションも分担しています」

「それに、祭りで仲良くなれるので大丈夫です!」

港といえば、「みなと祭」こと「名古屋みなと祭」が有名。祭りはまち協の事業ではありませんが、まち協職員も関わることができます。普段あまり顔を合わせない人も、県外から帰省してくる人も集まって、年に一度の大賑わいとなる日。小田さんと大西さんは1カ月前から踊りの練習に参加して、当日も前夜祭もみんなと一緒に踊ったそう。当時は入職前だった西村さんも、山車を引いてお祭りに参加したと言います。

「祭りで結束力が高まりましたし、まちの人から話しかけてもらったり頼ってもらったりすることも増えました。祭りの前と後では、人との距離感が大きく変わりましたね」

祭りの参加は強制ではなく希望者のみですが、一緒に楽しめると、その後の円滑なコミュニケーションに生かしていけそうです。

アパレル販売員から転職して、まち協職員になった小田さん。元々、コミュニティデザインに興味があったそうで、現在はあちこちのまちのコミュニティに飛び込んでいます。最近では、空き家に関するトークイベントの企画がきっかけとなり、北区の「金城市場」で開催されたファッションショーに出演するという面白い縁も。

「港まちづくり協議会」と聞くと、港エリア内での活動を想像するかもしれませんが、まち協で関われる地域は、港だけとは限りません。岐阜市の柳ヶ瀬商店街で開催されている「サンデービルヂングマーケット」に「TEAMみなと」として出店するなど、港と良いつながりをつくるためなら、どこまでも。

まち協がめざすのは「名古屋中のみんなと楽しめて、全国に誇れるみんなの港まち」。地元住民にとって暮らしやすいまちであることは大前提ですが、地域外から見ても魅力を感じるまちになるよう、事業を進めています。まちの中と外を行き来するからこそ、地元住民が見落としていたものに気づけることも。時には深く潜って、時には俯瞰して。柔軟で客観的な視点が大切になりそうです。

いま、変わり目を迎えようとしている港まち。ここで何ができるか、あなたの目線で、みんなと一緒に考えてみませんか。

(取材 2024/2/20 齊藤美幸)

港まちづくり協議会
募集職種 事務局員
契約形態 有期雇用契約(1年ごとに更新の可能性あり)
給与 時給1,300円(最初の6ヶ月は1,250円)
待遇・福利厚生 社会保険加入、健康診断、昇給あり
※ただし労働条件による
通勤手当(実費相当)
仕事内容 事務局の運営
港まちづくり協議会が実施するまちづくり活動の企画・実施・運営
・ガーデン、子育てなどをテーマとしたコミュニティ活動
・地域のお祭りなどの賑わいイベント
・アート&デザインを活用した各種プロジェクトの企画運営など
・事業にまつわる広報業務
・各種事業を進める上での資料作成
・その他、事務局の運営に必要な業務
勤務地 港まちポットラックビル(名古屋市港区名港1−19−23)
勤務時間 週5日
月~土のうち5日(勤務時間はシフトで決定 *土曜日は②)
交代制として、次の勤務時間の組み合わせによる
①午前9時00分〜午後6時00分
②午前10時30分〜午後7時30分
③午後12時〜午後9時
休日休暇 月8日(シフトで決定)。
入職時期により年次休暇最大20日、夏季休暇最大5日あり
応募資格 資格不問
求める人物像 ・港まちづくり協議会の活動に興味がある方
・まちづくり活動に携わっていきたいと考えている方
・コミュニケーション力があり、チームワークがとれる方
・PC スキル(Word、Excel、powerpointなど)がある方
・社会人経験のある方
募集期間 2024年3月21日から4月21日まで
採用予定人数 1名
選考プロセス 下記「問い合わせ・応募する」ボタンよりエントリー

1.エントリー ※応募があれば順次選考を行う予定
2.履歴書による1次選考
3.面接による2次選考
4.採用 ※採用時期は4月以降を予定

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。