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2018-01-18

自分に合った働き方を選択する~第23回 はたらくインタビュー 【『ハタラクデアイ』公開インタビュー】~


ハタラクデアイ

―仕事帰りに「はたらく」について考えてみようというトークイベント「ハタラクデアイ」の
第5回を開催しました。働き方改革が話題になっている現在、複業やフリーランスで働いてい
る方々をゲストとしてお招きしました。―

司会:まずは、それぞれ自己紹介をお願いします。

山田卓哉さん:こんばんは。山田卓哉です。北海道出身で、2013年に人材紹介会社パソナに入社後、転勤で名古屋にきました。社外でプロジェクトを生み出したり、運営したりする場所を探していたところ、大ナゴヤ大学に出会い、今に至ります。

大ナゴヤ大学でボラスタ(ボランティアスタッフ)をはじめてから、仲の良くなったメンバーと“Provi”というチームで活動もはじめました。大ナゴヤ大学でイベント企画をやったり、“Provi”では地元のNPOとコラボし、スカイランタンを揚げたり、プチ映画祭を実施するなど取り組みました。次第に、本業以外の活動の比重が高くなっていき、仕事でないことを思いっきりやってみようと2016年に退職を決意。

2017年9月には、大ナゴヤ大学の学長に就任させていただきました。上小田井地域にある三ツ川タウンのまちづくり、東海地域の情報をまとめたwebメディア“IDENTITY名古屋”のメンバーでもあります。他にも岐阜にあるNPO法人G-netで働くなど、とにかく色々なことに携わっており、変わったキャリアを積んでいるところです。


西田知佳さん:こんばんは。にっしーです。36歳。フリーランス1年目。「おもしろ人生クリエイター」を自称しています。採用関係の仕事をずっとやってきて、自分自身も楽しい人生を送っているので、人に対しても面白い人生を提案できたらいいなと思い、勝手にこの肩書きを名乗っています。

社会人生活は16年。メーカーでの技術営業を経て、キャリアアドバイザーに転職しました。そこから飲食店を東京で共同経営した後、大阪でNPO職員としてニートや引きこもりの方への就労支援をやりました。現在、名大社という会社に軸足を置いています。元々社員だったのですが、そこにフリーランスという形で転職支援・就労支援、企業さんに対しての中途新卒採用支援、講演会やワークショップなどをしています。

その他に、ボランティアとして大ナゴヤ大学に関わっていることと、仕事として仕事旅行さんなどに関わっています。バランスでいうと、名大社の仕事が忙しすぎて、今は正直9.5:0.5で、あまり良くないなと思っています。それを何とか変えて行きたいなと。

これからについてですけど、私は一度、飲食店の経営をして、採用から離れたのですが、この業界に戻ってきたのにはわけがあって、学生さんや転職をしたいと考えている方たちのミスマッチをなくしたいということが、私の人生の目標でもあります。


山下直人さん:山下と申します。1989年生まれの27歳で社会人6年目です。いまの軸足は仕事で、広告メディア会社の名古屋支社に勤め、営業リーダーとして、中小企業経営者様の集客支援やメンバーマネジメント業務をおこなっています。その他、Jリーグクラブや、行政の観光課の方と集客やまちづくりについてのプロジェクト支援も行っています。

出身は福岡で、新卒で広告メディア会社に入社し、東京→静岡を経て名古屋に転勤してきました。もともとサッカーをやっていて、Jリーグのアビスパ福岡に10年ほどいました。現在は、企業に勤めながら大ナゴヤ大学のはたらく課、NPO法人G-netのプロボノとして活動しています。またスポーツをする度にコートを走った分のカンボジアの地雷をなくそうという「GLOBE PROJECT」を名古屋で立ち上げています。

社内で”Will Can Must”という考え方があり、仕事について、Will=自分がありたい姿、Can=それに対して自分が出来るのか、Must=そのために自分が何をしないといけないのか、目標達成のために何をするべきなのか、を上司から言われるし、自分もチームに対してこの考え方をもとにコミュニケーションをとっています。それを通して「自分が本当に何をしたいんだっけ」「何ができるのか」が考えるきっかけになります。

私のありたい姿は、1.日本の教育を変える、2.九州を活性化させる、3.日本のサッカーを強くことを実現するために、プロデューサーとして必要なスキルとスタンスを持ち備え、その力となることです。

ハタラクデアイ

司会:3名それぞれ何に重みづけをしているのか、何に興味を持っているのかなど、違いを感じて頂けたと思います。それぞれ働く中で、自分の軸は何かについて、聞いていきたいと思います。軸の一つにお金(稼ぎ)があるとは思いますが、特に山田さんは、9つものプロジェクトに関わっているなかで、軸についてどのように考えているのか、今の時点とこれからどういう軸でやっていこうと考えているのでしょうか。

山田卓哉さん:役職的な意味では、学長になり、責任の強さという意味では大ナゴヤ大学に置いています。ただ、活動の軸は大ナゴヤ大学だけではありませんでした。何でもやりたい人なので、「やります!」ってすぐに言っちゃうというのが一つの理由なんですけど・・・。僕が関わったことで、「あっ、ヤマタクでもできるなら私もできるかも」と、みんなに思って欲しい。

僕の活動の先には「ヤマタクがやるくらいだったら私がやりたい!」と言ってくれる人がいるのではないかと思いながら、活動・プロジェクトに関わらせてもらっています。

司会:山田さんにでもできるということを見せるという目的があって、それを表現する手段として、いろんなプロジェクトに関わりながら見せていくということを一つの軸にしている。自分の中に軸があるので、色々なプロジェクトに関わっているように見える表面のところだけみていると、軸がないように見られてしまうということなんですね。西田さんは、何を軸にしてはたらいていますか?

西田知佳さん:お金を軸にすると名大社です。フリーランス一年目で、色々なジャンルでフリーランスとして活躍されている方に、収入のことを聞いたとき忘れない方がいいよと言われたのは、毎月給料として固定でいただける仕事もこなしていった方がいいということでした。生活は生活で安定させておいて、それプラス好きなことをやればいいじゃん、という話で、確かにそうだなと感じ、今はそれが叶っている。

名大社の中でも、合同企業説明会、転職フェアをやっていて、色々な学生さんや求職者さんに出会いますが、正直なところをちゃんと伝えていて、そんな選び方でいいの?とか、今転職しない方がいいでしょう、とか。自分の売上に全然結びつかないことも多いですが、、、言っちゃっていますね。そこは自分の中でぶれない軸かな。「正直に仕事する」というのも軸かもしれません。



司会:ミスマッチをなくしたいが軸で、名大社さんとの出会いが大きくて、今のアウトプットがそういう形になっている。その軸をぶらさずに、働き方、自分の時間の使い方などを少しずつお金との兼ね合いを考えながら変えていこうとしているのですね。山下さんは、会社で働きながら、他の活動も軸を持ちながらやっている。その辺、どのように考えながらやっているのでしょうか。

山下直人さん:会社では、「個人が将来何したいのか」、「世の中での市場価値が自分は高いのか」、「何ができるのか」ということが常に問われます。会社にいながら常に自分は将来何がしたいのかということを、先程の「Will」、「Can」、「Must」の部分とセットで考えています。

司会:自分の軸についてのお話ありがとうございました。西田さんは自分の時間の使い方を名大社中心から変えていきたい、山田さんは横断的に様々な活動に関わっている、山下さんは確実に会社に何時から何時まで働くという制限がある中でも、他の活動の時間を生み出している。ここからは、時間というのをみなさんどんなふうに捉えながら、働いているのかを聞かせてください。

山田卓哉さん:時間の決まった仕事はNPO法人G-netさんとの契約職員という形で、週2~3出勤しています。それ以外は、基本的には人に会うときや打ち合わせの時間など決まった約束がある時だけ分けていて、その他は、地道な事務作業をしたり、書類を作る時間に当てています。

今は明確な将来像をつくらないで生きることを選んだので、割と柔軟にスケジュールを組み、仕事選びも柔軟に、いままさにやりたいこと、これを受けたら他の仕事に良い影響がありそう、というものを受けています。今はあまり将来、目先のことを考えてはいないです。

司会:山下さんは、会社員として働きながら他に3つ活動をしているけれども、時間をどのように生み出しているの?

山下直人さん:基本業務が最優先なので、活動には平日の朝・夜と週末の時間を使っています。社内活動も活発なので、自分でスケジュールを押さえておかないと埋められてしまうこともあります。ブロックするためには自分でスケジュール管理していく必要があります。月単位ないし三か月単位でこういうことをやりたいな、というのは自分で事前に計画しています。

司会:西田さんは、どうですか?

西田知佳さん:社内にいると、打ち合わせがバンバン入ってきます。会社に時間で縛られたくないので、会社にいる時間を自分で設定し、社内全体に公開して、その間で打ち合わせができるような仕組みにしています。

ハタラクデアイ

司会:時間と向き合い方ともう一つ大事になってくるのが、お金に対する考え方。今後、どのようにお金と向き合いながら働き方を変えて行こうとしているのか教えて下さい。

山田卓哉さん:お金では選ばない1年にしようと決めきています。お金のつかないことをお願いされることがあって、その代わりに、野菜を送ってくれるでもいいし、飲みに連れて行ってくれるのもありだし、物々交換でもいいので、そういうお金に頼らないで生きていけるのかを実験しているという感覚です。

プロフェッショナルでやっている人と自分の仕事のクオリティーを比べると本当に満足のいくレベルなのかということを考えながら、自分なりの対価のいただき方について、今年は色々と実験していきたいなと思っています。


山下直人さん:僕もフリーランスでの活動も視野に入れていますが、収入・貯金などのお金の部分で不安もあることは事実です。正直、その辺はどうでしたか?


山田卓哉さん:貯金ないです・・。(笑)半年くらいニート生活をしていました。退職金が出て、失業保険が出て、やりたいことが分からなくて、うだうだする生活。たくさんの知り合いに会って、こういう生き方もあるんだということを知りました。


山下直人さん:何とかなるということ?


山田卓哉さん:色々な人たちに助けていただいて何とかなりました。本当に自分のことだけ考えて自分のことをやっている人生だったら、こうやって助けてもらえなかったのではと思います。もしかしたら、これまでの活動がちょっとでも誰かのためになっていたのかもしれません。学生時代の仲間、会社員の頃の仲間、大ナゴヤ大学に関わったことで知りあった方々に支えてもらいました。

司会:そうやって会社以外のところで、例えば大ナゴヤ大学のような繋がりを一つ持っておくと、辞めた途端に繋がりの中で仕事を頂いたり、関係性の中で仕事が生まれていったりするので、会社の枠だけにとらわれずに何かやっていくことは、これからの時代において大事なことかもしれないですね。

ハタラクデアイ

司会:最後に、みなさんにとって“はたらくとは”何かを、聞かせてください。

山田卓哉さん:自分を使った今の社会でどう生きることができるのかの実験。僕自身も色々迷いながら「どうやって自分はごはん食べていけるの?」ということを身をもって試してみて、その様子を見てた結果として周りの人が「もっと自分はこう生きたい、こう働きたい」と思って貰えるような一つのモデルになれたらと思っています。


西田知佳さん:「はたらく」とは自分そのもの。自分の生き様を誰かに見せることで、誰かが勇気を持ってくれたりとか、何かはたらくって楽しいなとか、感情をもってくれたらすごくうれしいかな。スイカって塩かけると甘くなるじゃないですか。そんな塩を提供できるような存在になりたいです。


山下直人さん:「はたらく」とは2つ。1つはトレーニング。自分で実現したいことがあるので、働きながらそこに向けたトレーニング、修行です。営業をしているので、ある程度貰えるお金の量が決まっています。ただそれだけのためにバリューを出し続けないと給料を貰う価値はないと思っているので、日々プレッシャーを感じながら成長する機会を頂いています。

2つは「働」という漢字は人に動くと書きますが、本当にこの人や組織・地域のために、一つのことをとことん「一所懸命」考え、どんなときも前向きに互いのWIN-WiNを実現するために「一笑懸命」動き、その「一生懸命」な生き様そのものが”はたらく”そのものとなるのでは、と思っています。

―「はたらく」とは社会のために動くこと、自分を見て他人に影響を与えられる人間になること、自己成長すること。色々な考え方があるのですね。未だ「はたらく」状態にない私ですが、実際に「はたらく」人の話を聞いて、刺激を受けました。「はたらく」意味についてもう一度考えてみようと思います。―

取材日:2017年9月13日/記事:進藤 雄太朗(大ナゴヤ大学 インターン生)