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2016-08-22

社会人1年目に聞く”はたらく”こと〜第19回 はたらくインタビュー【『ハタラクデアイ』公開インタビュー】〜


ハタラクデアイ

仕事帰りに「はたらく」について考えてみようというトークイベント「ハタラクデアイ」の第4回を開催しました。今回も社会人1年目を終えたばかりのメンバーがゲストです。社会人になり1年が経過したこの時期に、“はたらく”ことについて伺いました。

―司会(中村さん、片野さん):本日は、『ハタラクデアイvol.4』にお集りいただきありがとうございます。司会は『ハタラクデアイvol.3』でゲストスピーカーをさせていただきました中村と片野です。宜しくお願いします。

―司会(中村さん):今回で4回目となる『ハタラクデアイ』。前回よりもさらにグレードアップしています。会社や団体に勤める方、会社に勤めながら自分の趣味でもお金を稼いでいる方、フリーランスで自由に働いている方をゲストに迎え、はたらくことに対する悩みや想いなどを語ってもらいます。それではまず、皆さんの自己紹介からいきたいと思います。野村さんから宜しくお願いします。

野村さん:野村亮太と申します。インターネット広告代理店で営業をしています。今は東京で働いていますが、大学までは名古屋にいました。「はたらく」ということに対して意識し始めたのは高校生の時です。高校を卒業したら就職しようと考えていた時期がありました。しかし、毎日ルーティンワークをするような仕事をして自分は楽しいのかなと疑問に思い大学進学を選びました。

入学して1年間真剣に勉強してみましたが、やりたいことが見つかりませんでした。それで何をやろうかと悩んでいた時に、NPO法人ドットジェイピーに出会いました。そこで出会った方々は日本を変えたいとかそういう話しをしていて、そういう姿が格好良くて、自分もそんなキラキラした人になりたいと思いました。

ドットジェイピーでは、インターン生の集客等の仕事を経験させてもらいました。その経験でインターネットを活用した集客やプロモーションが面白いと思うようになりました。その後、カナダや東京のweb集客関連会社でインターン生として働き、インターネットを活用した集客を勉強しました。大学卒業後は、今の会社で働かせてもらっています。本日は、宜しくお願いします。

後藤さん:後藤恵理香と申します。キャリア教育を推進するNPOに勤めています。大学時代は、社会福祉を専攻していました。「介護」「子育て」「障害」など福祉の問題は日常的にニュースで取り上げられていると思うのですが、当時のわたしは福祉を学べば学ぶほど、将来、大丈夫なんだろうか?とモヤモヤしながら過ごしていました。

そんな中、就職活動を始めた際に、社会課題の解決と事業性の両立に挑む「社会起業家」や「ソーシャルビジネス」という言葉に出会いました。そこから人生が大きく変わっていったと思います。

4年生の後期に大学休学を決意して上京。起業家精神を持つ人材の育成や「社会起業家」の支援を行うNPO法人ETIC.でインターンシップを行いました。インターンを通じて、世の中にある物事をよりよくしていくことに自分の時間を使いたいと思うようになりました。本日は、宜しくお願いします。

田口さん:こんばんは。田口絵未花です。出身は三重県津市で、今は仕事柄、標準語で話していますが、ほんまは三重弁でしゃべっています。好きなことは一輪車で、小学校2年から乗っていて、今は4台目。最近サーカス用のサドルが高い一輪車を買いました。買ったのはいいけど乗れないのが今悩みなので、乗れる方がいたら教えてください。カラスも好きだし、ものまねが得意です。

こんな私は、ZIP-FMという名古屋のラジオ局で、毎週木曜日23時からの番組でナビゲーターをやっています。是非聞いてください。

名古屋みさとさん:はじめまして名古屋みさとと申します。この名前でブログやっているので、今日はこの名前でお話しをせてもらいます。ブログを書いてお金を稼いでいます。ブログをはじめた経緯は、大学時代は、学生団体やサークルを10個ぐらいに渡り歩くなど色々活動をしていて、そのことを大学1年の頃からツイッターで発信していましたが、もっと書きたいという思いが強くなってブログに移行しました。

最初は広告をつけずに書いていたのですが、いろんな人に見てもらえることに気づいて、ためしに広告をつけてみたら、アルバイト代ぐらいですけど収入を得ることができました。また、ブログに掲載するイラストを自分で描いていると、イラストを描いて欲しいという依頼もくるようになるなど、趣味ではじめたけれど、時間をつくればもっと稼げると感じました。そうして、大学4年の時に就活せずにブログばかり書いていたら親に泣かれてしまいました。

親に将来どうするつもりなのと聞かれて、ブログを書いて生きていくとは言えなかったし、自身もそれで生きていけるとも思ってなかったので、大学4年の3月に就職をしようと考え、会社を受けました。3月末に内定が出た会社で営業の仕事をしています。今は、仕事が終わった後、ブログを書いています。最終的には、ブログとかを書く仕事に移りたいと思っているのですが、今のところは兼業で頑張っている状態です。

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―司会(中村さん):もう一人、藤尾さんという自動車部品メーカの営業の方も出演予定だったのですが、岡山に出張ということで、今こちらに向っています。(笑)こんな個性あふれる4人でお届けしたいと思います。皆さん、宜しくお願いします。

―司会(片野さん):最初の質問です。学生時代や就職活動で、悩んだことや考えていたことはありますか?

後藤さん:私の場合、大学3年生までは、勉強しながらバイトやサークル活動をするような、普通の学生生活を送っていました。しかし就職活動の時期に入り、「働く」ということを目の前に突き出された時に、自分は何が好きなのだろうとか、どうやって働いて生きていたいのかとか、全く分かりませんでした。

わたしは学部で社会福祉の勉強をしていましたが、福祉関係の仕事に就こうとは元々考えていませんでした。ただ、社会福祉は、「年金」、「社会保障費」、「待機児童」などの問題も見過ごせないけど、保育士さんや介護士さんなど、社会福祉を担う人々の離職率が非常に高く、業界が慢性的に人手不足であることは気にかかっていました。

世の中に必要な仕事をしている人々が、尊ばれていない、と感じました。福祉業界でも、キャリアアップの機会などがもっと充実して、ちゃんと暮らしを続けてゆけるようにできないだろうかと漠然と思っていました。

そんな中、就活最初の合同説明会へ行った時、とある人事の方とお話しする機会をいただきました。すると、困っている人たちの課題を解決しながら、それをボランティアではなく、事業として挑戦している「社会起業家」という人たちがいることを教えていただきました。

そこではじめて、わたしが考えていたようなことを既に実践している方達がいる、ということを知りました。「社会起業家」という言葉を知ってから、行動が大きく変わっていったと思います。

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―司会(中村さん):みさとさんは就職先をどのように見つけたのですか。その辺の話しを聞かせてください。

名古屋みさとさん:就活の波に飲まれて、大学4年生の時はひきこもっていました。皆さん、頑張って就活を乗り越えてきたと思うのですが、乗り越えられなくて・・・。1日に何社面接受けたとか、志望動機を考えて何回も先輩に見てもらうとか聞いたことがあるんですけど、すごいじゃないですか。

長所を活かして就職したいと思っていたのですが、長所が何かわからなくて、就活に前向きになれませんでした。就活を何のためにやっているのだろう、そこまでして入りたい会社はないしなと思いはじめると心が折れて、もういいやと思ってしまいました。その瞬間からひきこもりになって、ずっとブログを書いていました。

ひきこもり期間は辛かったですが、文章を書くことは嫌いじゃないなと気づけたので、今振り返るとマイナスじゃなかったなと。それで、なぜ今の会社に入ったかというと、自己紹介でも話したとおり、ひきこもってブログばかり書いていたら親に泣かれて、それで就職をしようと動き出したのが3月だったのでリクナビ、マイナビに掲載されている情報はもう残ってないと思って、大学の求人票で探しました。

家から通えて、できれば上場しているという2つの条件に絞って探してみたら案の定いい条件の会社が見つかりました。ニッチな分野なので正直ホームページとか見ても何をやっている会社かわかりませんでしたが兎に角応募しました。そしたら、順調に面接が進んでいき、最終的には元気がいいということで採用してもらえました。人生何があるかわからないですね。(笑)

―司会(中村さん):そろそろ次の質問にいこいうと思います。
―司会(片野さん):1年間働いてみて得たことありますか?

野村さん:1年間ハチャメチャに働きました。4月1日に会社に行ったら入社式はいらないと言われ、入社早々に新会社の立ち上げをすることになりました。1ケ月で1,500万円の売上をつくれと言われて。(汗)結局600万ぐらいしか稼げませんでしたがとにかくがむしゃらに働きました。

その後は、リスティングやSNS広告の営業をやっていました。そして、次に新しい部署の立ち上げに関わるなど、色々と担当も移り変わり、今度はセブに行きます。様々な経験をする中で、新しい組織をつくる仕事を通して、新しく関わる方とのコミュニケーションの難しさ、どのようにリソースを確保していけばいいのかなど、わからない中でも思考錯誤しながら考えてつくっていくということを学ばせてもらいました。

―司会(中村さん):いきなり起業することは大変だと思うのですが、どのように進めていったのですか?

野村さん:会社内にエンジニアさんやデザイナーさん、広告に詳しい方がいるなどリソースとして専門的な知識を持った方はいるので、ゼロから起業する方よりは楽だと思います。近くの席の先輩に、こういうことやりたけどどうしたらいいですか、と聞いたら詳しい方を紹介してあげるよと言って、繋いでいただいたりして、そのうちに仕事を引き受けてくれる方も出てきて、ありがたいなと感じながらやっていました。

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―司会(中村さん):田口さんは、1年間働いてみて学んだことは何ですか?

田口さん:朝の番組のオープニングトークで、タコの交尾の話を永遠としたら、朝から何の話しをしてるんだ!と怒られて・・・。全員は無理だけど、たくさんの人に伝わることを話せと言われて、それからは天気の話をするなど工夫して頑張っていました。

でも、ある時から自分はいつか死ぬんだから後悔しないよう生きようと思うようなりました。そしたら、私は動物の交尾にすごい興味があるし、その話を通して命の素晴らしさを伝えたいし、カラスほど美しい鳥はいないと私は思っているので、カラスのことを話したいと思えました。本当はそんなことをしゃべりたいのだと気づいたのは今年の3月ぐらいで、翌4月から夜中の番組担当になったことをいい機会に、自分の話したいことを話すようにしました。

人に何を言われようと私がやりたいことをやるということをこの一年間で学びました。皆さん、やりたいことやっていきましょう!

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―司会(中村さん):1年間働いてみて、色々思うところはあると思いますが、今後今の会社でどうしていきたいとか、何歳くらいまでに何をやりたいとか、今後どうしていきたいかをお聞かせください。

後藤さん:この1年、色んな子どもに出会い、気づかされることがたくさんありました。中でも印象的だったのは「場面緘黙症」という、機能的には話すことができるけれど、知らない人がいるところでは一言も話せなくなってしまう症状を持つ高校生との出会いです。もしも、この子がこのまま社会に出たら、・・・と想像すると、ハッとさせられてどうやって食べていくのだろう、生きていくのだろうと・・・。

わたしは、大学で社会福祉を勉強して、今は教育の世界で仕事をしているのですが、1年間の経験を通して、これまで学んできたことと今が繋がり、今の方が社会福祉に対する関心が増しています。もう一回勉強し直して、今後に活かしていけたら、と思っています。

名古屋みさとさん:営業の仕事は楽しいし、やりがいをもってやれていると思っているので、仕事を続けながら、ブログを書いていきたいと思っています。ただ、ブログの収入が上がってきていて、平成28年度は、会社にばれそうで・・・。

副業はたぶん大丈夫な会社ですが、かたい会社なのでどうしようかと考えています。会社を首になってもいいように、一人で暮らしていけるだけのお金をブログで稼ぐことが、今の目標です。それぐらい文章を書くことが好きで、これからもやっていきたいと思えていることなので、アクセル踏んでいきたいです。

野村くん:セブ島に行って、今度こそリソースがない状態で新しいことつくっていくので、本当に何もない状態からつくれる、お金のないところでもプロモーションをしっかりできる能力を身に付けたいです。

NPOにも学生の時から興味があるので、そういうところにも活かせるような能力を身につけたいというのがこの1年間の目標です。

田口さん:今後、好きな事しかせずに死んでいきたいです!

司会(中村さん):それでは、最後に皆さんにとって“はたらく”とは何かを教えてください。

後藤さん:社会と繋がって自分のやりたいことを実践できること。成果は、お金という価値だけではなく、それ以外にもあると思います。やりたいことを試し、何かしらの形で評価されるものだなと感じています。

野村さん:自分の言葉ではありませんが、「はたらく」とは人生の一部であり、すべてと言っている方をどこかの本で見たことがあるのですが、まさにその通りだなと思っています。働いてお金をいただけるから、プライベートも充実しているし、仕事の中でも楽しいという想いを持ちながら働いています。

はたらくことも人生の一部だし、プライベートも人生の一部。はたらくことは自分そのものというか・・・。しっかりとした信念みたいなことがあるわけではありませんが、自分の人生の一部みたいな感じです。

名古屋みさとさん:あまり明確なものはありませんが、毎日暮らしている中で、楽しく、人生を豊かにできるもので、1つ持ち続けるものだと思います。パートナーのような存在といったらおかしいと感じる方もいるかもしれませんが、私の中ではそういうものであります。

田口さん:はたらくことは、遊ぶことです。いかに楽しく遊ぶか。皆さん一緒に遊びましょ~!!

―社会人1年目のハタラクデアイは、3回目。昨年以上に、はたらくことに、はやい時期から向き合っている方が多いことに驚きました。そして、皆さん、自分なりにはたらく意義を見出し、楽しみながら働いている様子。就職活動に時期に、どれだけ自分と向き合うことができるか。悩んで考えて行動した分だけ、成長に繋がるんだなと思いました。来年はどんな社会人1年目がゲストにくるのか。今から楽しみです。-

取材日:2016年04月22日/記事:はたらく課メンバー/写真:近藤喬

>>第1回 ハタラクデアイ(まちでお店をやること)
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