地域の中に「出会いと挑戦」の場をつくり、子どもたちの未来をはぐくむ| 特定非営利活動法人アスクネット
※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。
将来のことをどのように考えていたのかを振り返ってみると、参考にしていたことは、身近に出会った大人の方からの情報でした。
実家が靴下の製造工場を営んでいたこともあり、大学は工学部の機械科に進学しましたが、社会に出てからたくさんの人と出会う中で、結果的に大学で専攻したこととは違う道を選ぶこととなりました。
高校生のときに、地域の中でいろいろな生き方をしている大人と出会っていたらどんな選択をしたのだろうか。
NPO法人アスクネットは、”キャリア教育”という言葉がまだ浸透していなかった1999年に立ち上がり、小中学校・高校・大学における教育プログラムの企画・運営をしています。
地域で活躍する市民の方が先生となる授業の企画、年間を通じたキャリア教育のプログラム計画、インターンシップのプログラムの設計など、学校と社会とをつなぐ教育のサポートをおこなっています。
今回は、学校と地域をつなぐ教育コーディネーターの募集です。
事務所は、金山駅から徒歩10分ほどの場所にあります。
採用を担当するのは、理事の山本さんです。
山本さんは、社会を変える仕事がしたいと29歳のときに人材業界の会社を辞めて、アスクネットに転職しました。
「今では、アスクネットの中でコーディネーター歴が一番長いのは私で、関わっていない事業は一つもないんじゃないですかね。」
教育コーディネーターは具体的にどんなことをするのですか?
「学校の先生に、子どもたちにどんなことを学んで欲しいかをヒアリングして、プログラムを提案します。提案が通ったら、先生は授業で忙しいので、準備などは全部こちらでやります。」
先生は、潜在的に思っていることを言語化できていないことが多く、根気よく話をきく姿勢が大事だといいます。
「小中学校向けのプログラムは、学校からの要望によって設計していくことが多いです。職場体験前の『マナー講座』、地域で働く大人たちを講師として招く『職業講話』、様々な分野で活躍される地域の方々を講師として招く『ものづくり講座』などがあります。」
講師をお願いする方は、人前でお話をする経験がない方も多く、小学生にも伝わるわかりやすい言葉で話してもらうように事前に調整しておくのだとか。
「高校向けのプログラムは、夏にインターンシップを取り入れることが多いです。学校が日程やコンセプトを決めて、私たちが企業さんに依頼をかけてプログラムを設計していきます。生徒さんが選びやすいように企業一覧チラシをつくったり、事前・事後の学習プログラムもつくります。」
学校や先生のニーズによって、設計するプログラムはさまざま。山本さんがコーディネートしたプログラムの中で印象的に残っていることを聞きました。
「ある企業さんのCSRの一環で、小学校向けの環境学習をコーディネートしました。企業側は、子どもたちと一緒に環境意識を育みたいという目的が明確でした。一方で学習指導が改訂になったときに小学4年生に”環境”という言葉が加わったこともあり、学校に提案して環境プログラムをつくりました。」
「一回きりの授業だと子どもたちは環境に関心は持つかもしれないけれど、環境が良くなる取り組みはしない。動機づけとして、環境にまつわる問題提起をする講座、さらにそれを深める講座、問題を理解して当事者意識を持てるような連続講座が必要だと考えました。」
「当事者として考える立場を経験して欲しかったので、子どもたちが動物役と人間役に分かれてゲームをして、人間は環境に負荷をかけているということを体験してもらうプログラムを入れました。」
「さらに、環境をよくするためには何が必要かを考える時間も必要で、その考えたことを実践してもらい、自分たちが何を感じたかを報告する場もつくりました。」
「現場ってすごく楽しいんですよ。」と嬉しそうに語る山本さん。
「アスクネットの最大の良さでもあり悪さでもあることは、スタッフみんな現場が大好きなので外に行ってしまい、管理系がめちゃめちゃ弱いし、やりたがらないんですよね。」
現場で子どもたちと接する機会も多く、反応がダイレクトに返ってくる。山本さんが後輩と一緒に現場に行ったとき、コーディネーターという職種について考えさせられる出来事があり、そこから教育分野の専門性も身につけていく努力をしていったのだとか。
「何度も通っている小学校へ若くてイケメンの後輩を連れていったら、子どもたちは後輩の方へいってしまいました……。コーディネーターはこういう職種なのかと衝撃を受けました。コーディネーターは、若いにこしたことはなくて、男性よりも女性の方が親しみやすく、子どもたちに受け入れてもらいやすいです。」
年齢など見た目の部分は変えることは難しく、コーディネーターとして生きる道を模索してきたといいます。
「専門性を身につけるために、国の動きとか学習指導要綱のことも学びました。文部科学省や各県の教育委員会の情報を得て、どういう方向に進んでいって、どういう能力がこれから必要なのかを自分の中で理解して、どのようにしたらそれが身につくのかを実践しながらやってきました。」
小中学校なのか、高校なのか。どこを担当するかで、必要なスキルが異なるように感じます。入社後の配属は、どのように決めているのですか。
「うちは基本的に本人の希望が最優先です。ただ、一流のコーディネーターを目指すとしたら小中高年ごとの感覚の違いを学ぶためにも、最終的には全部に関わって欲しいですね。」
続いて、教育コーディネーターの後藤さんにお話を伺いました。
「入社4年目になります。大学生のときから関わり、そのまま新卒で入社しました。アスクネットは、中途で転職される方がほとんどです。新卒採用は、私が第一号です。」
当初は、ソーシャルビジネスや社会にいいことをしながら事業として成り立つ仕組みに興味があり、広報など内勤の仕事を6割、残りの4割を教育コーディネーターとして働いていました。
「広報の仕事をする中で、教育コーディネーターの経験値がないと団体の価値を伝えれないと思うようになり、2年目からは逆転して、8割が教育コーディネーターの仕事をしています。学校現場に行くことが増え、今は主に高校一年生のインターンシップを担当しています。」
新しい視点を持って進路選択ができるようになることがインターンシップの効果だと後藤さんはいいます。
「私の担当校で、家庭のことを気にして、早く社会に出てお金を稼ごうと就職を希望している学生さんがいました。彼はデザインに興味があって、インターンシップ先にデザイン会社を選んでいきました。」
「実際にデザインの仕事を経験してみて三者面談の際に、自分はデザインの道に進みたいと先生と両親に伝え、本人がやりたいのなら学費は出すよと両親に言ってもらうことができました。」
「彼の中で家族に遠慮して就職を希望していただけで、本当はデザインをやってみたかったのです。自分の中で経験がなく自信がなかっただけで、インターンシップ後に自信を持って発言したら応援してくれる人があらわれました。」
愛知県内全域が対象エリアのため、車での移動時間が長かったり、遠方で朝から現場に入ることもあり、体力的な面で大変なこともあるといいます。
「コアタイムの9:30〜18:30はありますが、学校や先生の予定に合わせて、18時から会議が入ることもあります。」
会社のビジョンブックを見せてもらいました。そこには、”出会いと、挑戦の数だけ花が咲く。”という言葉がありました。
「どんな花が咲くかわからないけれど、1人ひとりが持っている種が発芽する環境をつくる仕事だと思っています。」
一人ひとりに寄りそう仕事だからこそ、なぜ働くのかを自分も問われるように感じているのだとか。
「どうしてこの仕事をやるのかを子どもたちに向き合わせているようで、実は自分が一番考え続けなければいけないと思っています。」
最後に、この仕事の醍醐味を話してくれました。
「この仕事の醍醐味は、たくさんの人に会えるし、いろいろな経験をさせてもらえること。仕事を通して成長している実感があります。」
再び山本さんに、これからのことを聞きました。
「愛知県、東海エリア全域によりよい教育を提供しようと思ったら、アスクネットだけでは無理で、行政と先生と社会を変えていく必要があります。今年から教育関係者向けのプログラムもはじめていきます。教育の意識を持つ大人の方や学校のサポートをできる人を増やしていきたいです。」
「100の自治体・企業ネットワーク、100人の教員ネットワーク、キャリアコーディネーターを5年間で50人つくることが目標です。」
子どもたちと関わることもやりつつ、大きな仕組みも変えていくタイミングなのですね。
「そうですね。教育に関心のある人が世の中に増えて、それが循環する仕組みが必要です。例えば、インターンシップを経験した高校生たちが社会人になって企業に勤めたら、受け入れる側に回るという循環もつくていきたい。それも含めて、大きな仕組みをつくるステージにきています。」
人を変えることは難しい。
けれど、1人ひとりが持っている種が芽を出すような環境を地域の方々と一緒につくることは、できるのではいだろうか。
特定非営利活動法人アスクネット | |
募集職種 | キャリア教育コーディネーターまたはバックオフィススタッフ |
雇用形態 | 正社員・アルバイト |
給与 | 18万円~30万円 ※経験・学歴などをふまえ、団体規定により決定します。 アルバイトの方は、時給1000円以上 |
待遇・福利厚生 | 完全週休2日制、年間休日数113日(勤務日数252日) ただし、業務によっては土曜、日曜勤務もありますので、その際は平日に必ず振休をとっていただきます。 ・通勤交通費(上限30,000円 ※団体規定による) 、資格手当、各種保険完備 ・昇給有、経営状況により一時金の支給有 他 ・全国各地の事例を学ぶため他の団体への視察や年1回程度の合宿 ・必要に応じた団他内外の研修 |
仕事内容 | ■高等学校向けキャリア教育プログラム(インターンシップやPBL)のコーディネート ※「PBL」とは、課題解決型学習(Project Based Learning)のこと。 ■教育CSR推進事業として、小学校向け環境学習プログラムのコーディネート ■小学生・中学生向け学習支援事業(委託事業) ■モノづくり講座のコーディネート ■教育関係者向け研修等のコーディネート ほか |
勤務地 | 愛知県名古屋市熱田区沢下町8-5 愛知私学会館東館3階 |
勤務時間 | 9:30〜18:30 (実働8時間) ※始業と終業の時間は業務によって変動します。 休日休暇:土日、ただし、土日に学習支援教室や教育イベントの開催するため出勤になる場合があります。 |
応募資格 | マルチタスクをこなせる方、成長意欲の高い方、行動力のある方、主体的な方 |
求める人物像 | これまで教育に携わったことが無くても問題ありません。 自己実現のためだけでなく、利他の精神があり、未来の社会のために本気になれる方を募集しています。 |
募集期間 | 通年 |
採用予定人数 | 現在は1~2名のキャリア教育コーディネーター 1名のバックオフィスメンバー |
選考プロセス | 1次面接、2次面接、SPI、最終面接 ※上記以外に課題の作文があります。 |
※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。
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