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2020-04-06

まちのあれこれに関わり学びながら、コトを生み出す|特定非営利活動法人 大ナゴヤ・ユニバーシティー・ネットワーク


※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「あなたの住んでいるまちってどんなところ?」
そう聞かれて言葉に詰まった経験、ありませんか。(私はすごくあります)

考えてみれば、知っているようで実は知らない、自分のまち。まちに正面から向き合ってきたのがNPO法人大ナゴヤ・ユニバーシティー・ネットワーク(以下DNU)です。「まちじゅうがキャンパス」「誰もが先生、誰もが生徒」をコンセプトに、学びの場“授業”をつくってきた「大ナゴヤ大学」や、この記事が掲載されている“ナゴヤのまちの求人メディア”「はたらく課」などを運営しています。

今回の求人で募るのは、まちに関する企画・運営を担っていく仲間。
具体的にどんな仕事をしてもらうのか。詳しくお伺いするため、DNUの事務所を訪れました。事務所があるのは名古屋市中区大須。古着屋や飲食店が軒を連ねる商店街が集まるエリアで知られますが、事務所も商店街からすぐのところにあります。

取材するにあたって、気になったのがDNUという法人について。“まちに向き合う”って、どういうことなのか。理事長を務める大野嵩明さんにDNUの成り立ちについて伺いました。

「もともとDNUは『大ナゴヤ大学』を運営するために設立された法人で、運営を通じて自治体や地域に根ざした企業などまちに関するセクションの方とのつながりが自然とつくられてきました。このつながりができたのは、設立当初から大学の核である“学び”の場づくりと同じくらい、むしろそれ以上の熱量で“まち”にも視線を向けていたからだと思います」

背景にあったのは「生まれ育ったまちのことを、自分たちは何も知らないのでは」といった問いでした。

「知らないということにすら気づいていなかった。でもほんの少し見方を変えたり一歩踏み出したりしてみれば、新たな気づきにつながります。そこからまちの奥行き、面白さが感じれると思うんです。僕らがやってきたのは、そういった気づきのきっかけづくり。何もないまちなんてひとつもないですし、それに気づいてもらうのをすごく大切にしてきました」

“学び”と“まち”に向き合い歩んできたDNUに、ひとつの転機が訪れます。2012年の「SOCIAL TOWER PROJECT」の発足です。

名古屋市からの「テレビ塔周辺ににぎわいの場をつくりたい!」という熱い要望から生まれたプロジェクト。運営を担うことなったDNUは、マーケットやステージなど、これまでつくってきた“学びの場”とはまったく異なる“場づくり”を経験し、本格的にまちに関する委託事業を受け始めました。例えば同じく名古屋市からの持ちかけで始まった、まちを舞台に伝統文化や歴史にふれる「やっとかめ文化祭」の実行委員会となったのも「SOCIAL TOWER PROJECT」発足の3年後だそうです。

まちに焦点を当てて取り組み続けてきたからこそ、このご縁ができたのでしょうね。縁はさらに広がり、現在ではさまざまな自治体や企業から定常的に仕事を依頼されるまでになり、法人としての活動の幅もぐっと広がりました。
一方で、“学び”と“まち”の2つの軸を置いて走り続ける中で、それぞれを深めていく難しさも痛感したとか。どちらも並走させながら、それぞれの専門性を磨き上げるのは至難の技。加えて、“まち”に関する事業においては「依頼を受ける側」であり続けることへの課題もありました。

「僕らはさまざまな委託事業を通じて、まちに関する企画を動かすノウハウを蓄積してきました。培ったノウハウを生かして次にチャレンジしたいのが、自らコトを起こせるひとの育成です。自分で仕事を生み出しながら、委託事業のクオリティーも高めていける。そんな仲間を育てていきたいです」

新しく加わる仲間には、名古屋市や中日新聞などと取り組む「やっとかめ文化祭」のコンテンツ「まち歩きなごや」の企画や調整、当日の現場運営などに関わってもらいながら、まちに関する企画について学んでもらいたいと考えているそうです。

“自らコトを起こす”なんて、なかなか難しそう。でもDNUには、それに挑戦してきたひとがたくさんいます。進藤雄太朗くんもそのひとり。大学在籍中にインターン生としてDNUに参加し、授業コーディネーターとして大ナゴヤ大学で授業をつくったり、「やっとかめ文化祭」事務局に携わったりしてきました。

「やっとかめ文化祭事務局では、やっとかめ大使(ボランティアスタッフ)やガイドさんのサポート業務などを担当してきました。現場運営スタッフとして『まち歩きなごや』に参加することも多いですが、ガイドさんの話が本当に面白くて。熱心な解説を聞くと、自分だけでは知り得なかった新たな発見があります。一方で自分で授業をつくるのも、考えや思いを自分なりにかたちにするのが単純に面白いです。これが正解、というのがないので難しさもありますけれど(笑)」

現在は、ナゴヤのまちを紹介する新プロジェクトの立ち上げ準備中とのこと。どんどんと自分でコトを起こしていく姿は、今回の求人の将来像にもつながります。

「DNUに参加する前の自分は、どちらかといえば受け身タイプでした。でもDNUに集まるひとは世代もバックグラウンドもさまざまで刺激にあふれていますし、みんなお互いの価値観を認め合うのを大事にしている。好きなものを好きって言える、それを受け入れ合える空気感があります。これをやりたいっていえば応援してくれるので、なんだかできちゃいそうってなるんですよね。だから僕も、今みたいな僕になれたんだなって思います」

一方で、先に挙げたようにDNUには現在進行系でいろいろな依頼が舞い込んできます。時には、自分の興味・関心事には含まれない題材を提示されるケースも。「仕事を請け負う」ために大切なのは、何なのでしょう。

「委託事業の醍醐味は『クライアントの要望に、自分ならどう応えるか』を考え抜くこと」と語るのは、DNUの理事を務める小林優太さん。フリーライターやまちづくりコーディネーターとして活動し、DNU内では委託事業の企画運営をはじめ、Webメディア「大ナゴヤノート.」の運営、求人記事の作成などに数多く携わっています。

「依頼が来るというのは、つまり『面白い学びのコンテンツをつくるのなら、一緒にやるのはDNU』と期待していただけたから。“DNUらしさ”が求められているんです。どんな依頼であっても、期待に応えるためには自分はどうすれば良いのかを考えて、答えを出していくほかないかなって思います」

最近だと「名古屋城に学びの場をつくりたい」との依頼から、秋まつりと冬まつりの時期に合わせて授業を企画。本丸御殿復元の参考資料となった古文書の解説や、名古屋城築城と城下町の整備に不可欠だった、良質な木を守ってきた「山守」のおはなしなど、普段耳にすることはない、でも聞いた後には名古屋城の景色がちょっと違って見えてくるようなテーマを取り上げたそうです。会場となったのは、なんと本丸御殿! 本丸御殿自体が学びの場になるなんて驚きです。授業で取り上げるテーマや会場設定にも“DNUらしさ”が感じられるように思います。

改めて“DNUらしさ”って、どんなものですか?

「なんだろう…(笑)ただ、常に意識しているのは『ストーリーを想像すること』。この依頼だからこそできる、魅力的なコンテンツは何か。そもそも、どうしてそのコンテンツが魅力となるのか。ひたすら考えながらプログラムに落とし込んでいくんです。そして参加者には、自分がピンときた内容はもちろん、さらに学びを深めるきっかけとなる情報もちりばめる。この思考のプロセスが“DNUらしさ”となっているんじゃないかと思います。企画をご提案する上で、実現できることばかりではないですし、クライアントと意見が一致しない場合ももちろんあります。でも、それが面白くて。議論を通して最適解に近づけるように、意見を押し通しはしないけれど、イエスマンにもなりません。自分ならどんなことができるのかを意識しながら、バランス感覚を磨き続けるのが大事ですね」

自分に何ができるのか。そもそも、自分にそんな「役に立てる能力」はあるんだろうか。疑問や不安がよぎりますが、小林さんは「むしろ派手派手しいスキルは求めていません」ときっぱりと言います。

「大事なのは、“面白がる姿勢”です。逆に、自分の関心事でないものに対して『それの何が面白いんですか?』となってしまうひとは、イベントの企画・運営の経験が豊富でもちょっとマッチしないかな。一口に『まちに関する企画』といっても形式や規模、内容はかなり多岐にわたります。その一つひとつをひとりでつくりあげてほしいわけではなくて、面白がりながら自分なりの関わり方を見つけられるひとであってほしい。僕らの周りには専門スキルを持っているプレーヤーがたくさんいます。“面白がる”上で必要なひと達を集めてつないで、まちの中に価値を生む仕組みを学んでもらいたいですね」

図にするとこんなイメージですかね。
さらに大野さんは「関わるひととの間(ま)を読み取れる力が必要」と続けます。

「これまでの話にも挙がっていますが、関わるひとたちが本当に多様なんです。年齢、経歴、職業、普段の働き方、どれを取っても一人ひとり全く異なる。例えば普段は会社員で、ボランティアとして関わるメンバーがいるケースも珍しくありません。関わるひとたちの背景もきちんと考慮した上で、いかに無理なく楽しみながら関わってもらえるようにするか。それを考えながら、マネジメントしていってもらいたいです」

少し難易度が高そうと感じてしまいましたが、考えてみれば誰しも日常の会話で自然にやっているのでは。「これを言ったら喜ぶかな」「怒るかもしれないけれど言わないと」「ここはフォローが必要だよね」といったように、相手とやり取りする中で生じる感情の機微を繊細に読み取って言葉を交わす。時にはきっぱりと意見を言う。向き合う人を思いやり、自分なりにどう応えるかを考えていけば、自然と「間」は読み取れるのではないかと思います。
冒頭で「まちに関する企画・運営を担っていく仲間」を募ると書きましたが、より正確に表すなら「コトに関わる人や場所、スキルなどのつなぎ役」を求めている。誰が関わったら、どうやって進めたら良いか、楽しみながら考えられる人と一緒に歩んでいきたいのだなと感じました。

それと、取材を通してあることに気づきました。DNUにはマニュアル的なものが存在しません(笑)。ノウハウや考え方などは体系的に継承されてきたので、「やりながら学ぶ」といった場面がほとんどと思われます。簡単ではないでしょうが、それも含めて面白がれれば、より深い学びが得られそうです。なるほど、学びの場をつくってきたDNUらしいですね。
働きながら学び、仕事を通じてまちを知る。そしてまちに対して思いを深めていく。DNUであれば、そんな経験ができるのではないでしょうか。

(取材 2020/3/22 伊藤ひでみ)

特定非営利活動法人 大ナゴヤ・ユニバーシティー・ネットワーク
募集職種 事務局メンバー
雇用形態 非常勤職員、業務委託など応相談
給与 月給100,000円以上(週3日程度の勤務、経験・能力に応じて決定)
待遇・福利厚生 交通費支給
仕事内容 ・やっとかめ文化祭のまち歩きの企画・進行・運営
・やっとかめ文化祭の事務局運営サポート
・まちに関わる(自治体等からの業務委託など)企画・進行・運営
など
勤務地 愛知県名古屋市中区大須3-42-30 ALA大須ビル201号室
勤務時間 ・週3日程度の勤務から。もっと働きたい方は、相談ください。
・月に一回程度、会議があります。
応募資格 ・社会人経験3年以上
・基本的なパソコンスキルがあり、Word、Excel等を活用できること
・大小問わずイベントなど人が集まる場をつくった経験がある方
募集期間 2020年4月6日から4月20日まで
採用予定人数 1人程度
求める人物像 ・活動理念に共感できる方
・まちを知ることを面白がれる方
・大ナゴヤ大学の活動など学び合いの場づくりにも興味がある方
選考プロセス 課題提出・1次面接
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2次面接
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3次面接
 ↓
採用

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。


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メール:info@hatarakuka.jp