「電力」×「まちづくり」。まちの未来を明るく変える電力の仕組みを作り上げる。美濃加茂市から木曽三川流域へ広める、新しい電気の価値。|木曽三川電力みのかも
はじめに、電気について考えてみましょう。
私たちの暮らしに欠かせない電気。みなさんの支払う電気料金は、その後、どこでどう使われているか知っていますか?
日々当たり前に使っている電気とその使用料。
もしも、自分が支払った電気料金の一部が、自分のまちや社会をよくするために活用されるとしたら素敵だと思いませんか?
今回ご紹介するのは、岐阜県美濃加茂市を拠点に、「電力」と「まちづくり」をかけ合わせた仕組みを生み出そうとしている「木曽三川電力みのかも」。
事業のスタートにあたり職員を募っています。美濃加茂から名古屋も含んだ「木曽三川エリア」において、どんな仕組みや価値を広げようとしているのか。代表の加藤慎康さんにお話を聞きました。
木曽三川電力みのかもの事業は、端的にいえば「企業努力によってコストダウンした電気を提供し、その電気料金の削減額の一部を自分が応援したいまちづくり事業に寄付する」というもの。
どのような仕組みによって実現するのでしょう。
加藤さんはこう語ります。
「電力の自由化以降、大手電力会社とは異なる経営の仕組みづくりで利益を生み出し、契約者の人たちが従来よりも電気料金を削減できるサービスを提供している会社がいくつもあります。私たちも、スマートメーター普及による省力化や、小規模事業者ゆえの身軽さと特定のエリアに根ざすことで、固定費や広報費のスリム化が可能です。そうして運用で生まれた利益が、地域の一般家庭、工場、公共施設の電気料金の削減にもつながります」
このような新しい仕組みによって電気を提供している企業はいくつもあります。ただし、多くの会社と異なるのは、この利益の一部が地域に還元されるという点です。
「電力会社とはいっていますが、事業構想の根幹には地域や社会をよくするお手伝いをしようという想いがあるんです。通常、地方で支払われた電気料金はその地域から多くが流出してしまいます。木曽三川電力みのかもは、地域で削減した電気料金の一部を寄付にまわし、まちや社会をより良いものにしようと活動する人たちを応援したい」
「美濃加茂市の電力市場は80億から100億円程度です。まずは、この一割程度と契約を結び、年間数千万円を地域に還元する新しいお金の流れをつくる目論みです」
「具体的には、寄付の対象となる活動を提示し、契約者の方にどこに支援するかを選んでもらいます。例えば、地元の商店街組合の活動資金になるかもしれません。あるいは、里山再生の資金になるかもしれません。「この活動はぜひ応援したい!」「この取り組みが盛り上がれば、もっといいまちになると思う」と共感した取り組みを、電気を使うという日常の行動を通して、無理なく継続的に支援できるのがポイントです」
自治会、商店街、NPO法人など、寄付の対象は多岐にわたるといいます。電気を使うという行動が寄付と紐づくことで、まちづくりや社会貢献がもっと身近に感じられるようになるかもしれませんね。
加藤さんは、2009年から大ナゴヤ大学の初代学長として、名古屋と周辺エリアで学びを軸としたまちづくりに取り組み、その後、名古屋テレビ塔の職員として久屋大通界隈の地域活性にも携わってきました。
2014年頃から縁あって美濃加茂市に通うようになり、2016年に同市のまちづくりコーディネーターに就任。美濃加茂市の職員として、行政民間を問わず地域の人たちと強い絆を築いてきました。加藤さん自身が長くまちづくりに携わってきた経験からも想いを語ってくれました。
「まちづくり事業を動かす上で、ぼくも資金面での悩みを何度も抱えました。同じように素晴らしい活動をしていても、資金面で課題を抱える団体はたくさんあります。そして、寄付を募ったとしても簡単には集まりません」
「ただ一方で、そういう活動を応援したいと思っている人もいる。けれど、毎月、毎年、定期的に寄付を続けられるかというと、それもハードルが高い。だから、契約者の方には負担のないカタチで継続して応援ができる仕組みをつくりたいと考えたんです」
「私たちが間に入ることで、地域で必要となる電気料金は大きく削減することができます。まちで生まれた利益を、まちが良くなるためにみんなで持続的に共有できるようになるでしょう。行政の中ではなくひとりのまちづくりコーディネーターになったからこそできることがあると思っています」
加藤さんは、これまでの経験を礎に一個人として新たな挑戦をしようと熱い想いを抱いています。その構想は、売電の枠だけにとどまっていません。
「民間の民生委員のようなカタチで有償ボランティアを募り、契約者の方の家を訪問してもらいます。そこで出てきた地域の課題や改善のヒントとなる声を行政に伝えて、まちづくりにフィードバックしてもらうんです。みんなで意見を出し合うサロンを開いていこうと考えています」
「また、現在は再生可能エネルギーを推進する「ワタミエナジー株式会社」と提携して事業を進めていますが、将来的には自分たちで発電も行いたいと考えています。太陽光発電や小水力発電などを活用し、美濃加茂市を再生可能エネルギー100%を推進するまちのモデル都市にしたい。美濃加茂市は、薪ストーブの設置補助事業をおこなうなど、環境に配慮した取り組みに力を入れています。きっと実現できるでしょう!」
「ゆくゆくは美濃加茂から名古屋や木曽三川流域のまちにこの仕組みや考え方を広めていくつもりです。「みのかも」とは別の「木曽三川電力〇〇〇〇」という新たな拠点が増えていくかもしれませんね」
ワクワクと楽しそうに未来を語ってくださる加藤さん。それは決して夢物語ではなく、美濃加茂市に根を下ろし土地も人も良く知る加藤さんだからこそ考えられる、地に足のついた構想です。
事業として何年で、どのように経営を成り立たせていくか現実的な数字も考えられています。それはぜひ、加藤さんから直接聞いてみてください。「なるほど」と頷くとともに、この事業の可能性を感じられるはずです。
そして、この事業を加藤さんとともに一から築いてくれる人を募集します。
最初の主な業務内容は、契約者を増やす一般的な営業のような仕事というよりも、木曽三川電力みのかもの想いや仕組みをどう地域に広めていくか知恵をしぼること。まちの人たちに理解し、共感してもらうための場の企画などもしてもらいます。
加藤さんと同じようにこの事業のことを語れるようになってください。雇用形態は、フルタイムとパートタイムどちらも可能です。電話での応対など事務的な業務を担ってもらえる人も募っています。
「自分たちがどんな地域にできるかを考えながら運営し、成長していけるティール組織へと育てていくつもりです。地域のことをもっと知りたい。地元を良いまちにしたい。そんな熱意のある人をお待ちしています」
と加藤さんは笑顔で語ります。加藤さんと一緒に働くだけで、見えている世界がどんどん広がっていきそうです。
暮らしもまちも変える新しい電力提供の仕組みづくりへの挑戦。ご興味ある方は、まずはぜひ一度、足を運んでみてください。
(取材 2019/09/29 小林優太)
木曽三川電力みのかも | |
募集職種 | 1 地域への事業PR、営業、理念浸透担当スタッフ 2 事務局担当スタッフ |
雇用形態 | 1.フルタイム雇用 もしくは パートナーシップ契約 2.パートタイム雇用 |
給与 | 1.月給180,000円〜250,000円(経験・スキル等により変更) 2.応相談 |
仕事内容 |
1.木曽三川電力みのかもの想いや事業の仕組みを地域住民の方々に理解していただくための方策を考え、実行していただきます。 例えば、 ・地域での認知度アップのための情報発信の方法や内容の考案 ・地域住民向けの交流会的な理解を深める場の企画運営 ・契約に向けた対応と、ご契約後のサポート 木曽三川電力みのかもが地域に根ざす土台を一緒に築いてください。 2.木曽三川電力みのかものオフィスに常駐し、契約のお申し込みなどの電話対応・資料作成・入力などの事務対応をお願いします。将来はリモートワークなども可能にしていきます。 ※ 事業スタートの段階にあたり、いずれの職種もここに記した業務を中心に、この他の業務もご担当いただく可能性がございます。ご了承ください。 |
勤務地 | 岐阜県美濃加茂市 |
勤務時間 | 応相談(休憩1時間を含む) |
休日休暇 | 週休2日制(但しイベント等により土日祝日勤務あり、その場合は平日に振替) |
応募資格 | 原則社会人経験が3年以上ある方、またはそれと同等の経験を有している方 |
募集期間 | 11月1日〜採用完了まで |
採用予定人数 | 1~2名 |
選考プロセス |
選考プロセス: (1)エントリー(書類選考) (2)インタビュー(ウェブ・ZOOMなどでも可) (3)現地でのフィールド体験(1日程度。可能なら) (4)最終選考 (5)採用 |
まちの求人
大ナゴヤ大学 はたらく課では、求人情報を掲載させていただける企業を募集中です。
メール:info@hatarakuka.jp