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2022-07-13

【募集中】こどもと親の声を聞き、思いを受け止め、ともに考える、子育てコンシェルジュ|特定非営利活動法人こどもNPO


ここ数年のうちに、私にも甥っ子と姪っ子ができ、家庭をもつ友人も増えました。子育てに関する悩みを耳にする機会も増え、私自身には子育て経験がないものの、以前と比べたら子育てが身近になりつつあります。

今の時代、共働き世帯やひとり親、専業主婦・主夫など、子育て家庭の状況はとってもバリエーション豊かで、大事にしている価値観や子育てに関する考え方などもさまざま。周囲から聞かされる話に、「家庭の数だけ子育てのスタイルがあるのだ」と気づかされ、驚くことも少なくありません。

一方で、核家族化などの影響から孤育て(孤立した子育て)が増えている印象も。社会の変化とともに、かたちを変えていく子育てを支える「子育て支援」の役割は、近年とても大きくなっていると感じます。

でも、「子育て」の「支援」って、具体的に何をしたらいいんでしょう?

「それがわかれば、経験のない私でも、何か役に立てるかもしれない」。そんなことを思い浮かべながら、名古屋市中区・ナディアパーク6階にある名古屋市子ども・子育て支援センター「758(なごや)キッズステーション」に足を運びました。ここは、利用者(3歳11か月までのこどもと保護者)が自由に遊べる無料の遊び場「キッズパーク」や、子育て支援活動を行う団体等の情報が得られる「情報ガーデン」などがある、名古屋市の子育て支援中核施設です。

「758キッズステーション」では、親子同士の交流促進を図ったり、子育てに関する相談に対応したりと、積極的に親子と関わりながら子育てをサポートする「子育てコンシェルジュ」が活躍しています。今回、新たな「子育てコンシェルジュ」の仲間を増やしたいと、人材を募ることになりました。

取材に際して、まず話を聞いたのは、「758キッズステーション」を運営する特定非営利活動法人こどもNPO(以下、こどもNPO)理事長・根岸恵子さんです。

2001年に名古屋市緑区で発足したこどもNPOでは、児童館の運営や学習サポート事業、こどもの自立に向けた社会体験事業、ひとり親家庭のこどもの居場所づくり、こどもの育つ環境や課題をテーマとした調査・研究、活動をもとに行政施策に提言するなど、多種多様な「こども」に関する事業を展開しています。対象とする「こども」の年齢も、0歳から18歳までと非常に幅広く、乳幼児期における子育てのノウハウも豊富に持っています。

「子育てに悩む親御さんに働きかけて解決するのが『子育て支援』、と思われるかもしれませんが、それはすべてではないんですよ」と語る根岸さん。いったい、どういうことでしょうか。

「はじめに、私たちこどもNPOが大事にしていることについてお話しますね。こどもNPOでは、子どもの権利を尊重することが活動の主軸となっています。たとえ生まれたばかりのこどもであっても、大人と同じく社会をかたちづくるかけがえのない『ひとり』です。その『ひとり』が健やかに、自分らしく成長していけるように、こども自身の目線を大切に、時には親御さんと協力して一緒に見守るのが私たちの役割なんです」

根岸さんの言葉に、ハッとしました。子育てを実践するのは保護者ですが、こどもの人生の主役は、他でもなくこども自身です。主役の目線(=意思)を大切にするのは、ごく当たり前のこと。それなのに、すっかり抜け落ちていたと気づかされました。

こどもNPOでは「活動をより多くの人に届けたい」と、行政との協働(共通の目的を達成するために互いの特性を生かして協力・強調すること)にも積極的に取り組んでいます。「758キッズステーション」も、当初は名古屋市が直営していましたが、2015年4月から「なごや子ども・子育て未来プロジェクト(こどもNPO、子育て支援のNPOまめっこ、起業支援ネットの3団体によるコンソーシアム)」が運営を担うことになりました。

「758キッズステーション」で子育てコンシェルジュとして活躍する空閑省子さんは「名古屋市のような規模の大きなまちの場合、私たちのようなNPOが市民と行政の間を取り持っていく必要があると思います」といいます。

自身も「子育てと仕事の両立で、たくさんの人に助けてもらった」という空閑さん。まちづくり活動や子育て支援センターの立ち上げなど、まちと子育てに関する活動にも長年携わってきました。その後、人事異動の関係で保育園勤務を経験。保育園を退職後、縁あって「758キッズステーション」の子育てコンシェルジュになりました。入職してからは、今までの経験を生かして保健センターやエリア支援保育所といった、区内の子育てに関する施設や行政部署などとの連携づくりにも取り組んでいます。

「入職してからずっと、この地域を『こどもがのびのびと育つまち』にしていきたいと、保健センターや保育所などとの関係性づくり、仲間づくりに力を注いできました。地域全体できめ細かに子育てをサポートできるまちをめざすことで、孤育ても減らしていけるんじゃないかと思って」という空閑さん。その言葉を受けて、根岸さんも「こどもの権利を尊重した、『こどもが育つまちづくり』も、こどもNPOの大事な取り組みのひとつなんです」と続けます。

もちろん空閑さんは、「758キッズステーション」を利用する親子のサポートにも全力を注ぎます。「コロナ禍の影響で、キッズパークの利用が事前予約制となったことで、かえって一組の親子にじっくり関われるようになったと感じます。とはいえ、コロナ禍によって子育てしづらい状況は続いているので、親子に寄り添いながら必要とされるサポートを探していけたらと思っています」と意気込みたっぷりです。

おふたりの話から、子育てコンシェルジュはいろんなつながりを生み出しながら「地域みんなで支え合う子育て」を実現するための橋渡し役を担っていると感じました。

と同時に、ちょっと疑問がわきました。空閑さんは、どうして保育園の退職後に再び「子育て支援」の仕事の道に進んだのでしょう?
「保育」と「子育て支援」は、どちらも「子育て」に関する仕事です。
この2つの仕事について理解を深めることって、子育てコンシェルジュの役割を理解する上で、とても重要な気がします。

「それぞれの役割を説明すると、例えば保育・幼児教育の現場では『こんな場面ではこうしてみましょう』と提案したり、『これはしてはいけません』と注意したりといった指導的なアプローチが求められます。対して子育て支援は『対等』に向き合うことが第一となります」

例えば、「一生懸命に作った離乳食なのに、全然食べてくれないんです。もういやになっちゃう」という会話では「一生懸命に作ったのに食べてもらえないと残念な気持ちになっちゃうよね」と、親御さんの心情を受け止め、気持ちの整理に付き合いながら解決策を一緒に見つけていきます。根岸さんも「誰に対しても対等な姿勢で、相手の心に寄り添うこと。これが私たちの基本です」と重ねます。

「保育と子育て支援は、それぞれ異なる役割を持つからこそ、互いに協力し合っていくことが大切なんです」という空閑さんの言葉と、これまで聞いた話と照らし合わせたとき、「保育」は「直接的」、「子育て支援」は「間接的」とも言い換えられるのでは、と感じました。
指導は悩みの解決に向けて欠かせないもの。だからこそ、具体的なアドバイスは専門家から「直接」受け取るのが望ましいと想像できます。一方子育て支援は、相談事を抱える人の傍らにいて、相手の声に耳を傾け、思いをくみ取ることで「悩み」と「解決」の間を取り持ち、必要に応じて具体的なアドバイスをもらえるところへ橋渡しするのが役目といえるでしょう。そしてその橋渡し先に、「直接的」なアプローチを得意とする保育園や保健センターなどがあるということです。
それぞれが「子育て」において重要な役割を担う仕事。だからこそ互いの役割を深く理解し、時には地域も巻き込むくらいの大きな力で協力し合うことが、多様化する今の時代に求められているのだと感じました。

取材スタート時からずっと熱量の高い会話が続いていたので、ここでいったん小休止。根岸さん、空閑さんとともにナディアパーク前の「矢場公園」へ向かいました。ちょうど取材日に開催していた、外遊びを楽しむ「そとへいこう!」を見学させてもらうことに。

木陰の一角で砂遊びを楽しむこどもの表情は真剣そのもの!そんなこどもの様子を、親御さんをはじめ、子育てコンシェルジュさん、地域ボランティアさんがお子さんを見守っています。

「五感を使った外遊びって、たくさんの刺激があるんですよ」と話すのは、「758キッズステーション」のセンター長・小島千春さん。こどもNPOに立ち上げ当初から在籍し、先代理事長でもある方で、根岸さんも「小島さんは、私たちの思いや理念を体現されている方」と絶大な信頼を寄せています。とても穏やかな雰囲気をまとっていて、「活動が始まってもう20年になりますから、立ち上げ当初小さかったお子さんが今では結婚して親になった、なんて話も耳にすることが増えましたね」と優しくほほ笑む姿に、こちらの気持ちも自然とほぐれる感じがします。

「長年、こどもとその親と関わり続けていますが、個人の持つ『力』は本当にすごいものだと感じる毎日です。誰しも、自分の意思を示したり、何かを成し遂げたり乗り越えたりする力を持っています。『支援』『寄り添い』といったのは、相手を尊重し、その人が本来持つ力の可能性を信じるところから始まるんじゃないかと思います」

小島さんはこどもを抱き上げる際、あらかじめ本人に「抱っこしていいかな?」と問いかけて意思を確認するそうです。悩みを抱える親御さんにも、悩みに共感した上で「じゃあお母さんはどうしたい?」と問いかけて、一緒に解決にむけて何ができるかを考えていきます。とても根気のいる対応です。

もしも自分が小島さんの立場に立ったら、まどろっこしさを感じて相手にあれこれ口や手を出してしまいそうですと口にしたら、小島さんから「相手に『なにかしてあげたい』といったサービス精神旺盛な方だと、かえって子育て支援の仕事は大変かもしれません」との答えが。

「手取り足取り『なにかしてあげる』って、わかりやすいんですよ。でも相手に寄り添う上で本当に大切なのは『一緒に考えること』。これに尽きると思います」

きっぱりとした口調に、小島さんがいかに人の持つ力を信じているかが、うかがえたように感じました。「この人ならきっと乗り越えられる、成し遂げられる」と信じているからこそ、根気強く粘り強く、相手に寄り添えるのだな、と。そしてそれは、職員の皆さん全員にいえることなんだと思います。

改めて、外遊びを楽しむ親子の様子に目を向けてみると、こどものお世話をしながら親御さんと子育てコンシェルジュさんが雑談したり病院を受診するタイミングなどを聞き合ったりと、会話に花を咲かせていました。

そんな様子を見ながら、「こどもも大人も、ただそこにいて、自然体でいられるのが理想かな」とつぶやいた小島さん。空閑さんも「ここでは、お子さんも親御さんも好きなように過ごしてもらえたらと、いつも思っているんです」と続けます。

おふたりの言葉を受けて、ふと「自然に、好きなように過ごす」ということに、難しさを感じている人は多いのでは、と思いました。私にも「こんなこと言ったら変に思われてしまうんじゃないか」と、ブレーキをかけてしまう経験は何度もありました。

だからこそ、吐き出すように打ち明けた悩みを、ありのままに受け入れてもらえることは、とても貴重な機会なんだと思います。もちろん、人によっては明確な解決策を求めて第三者に相談することもあるでしょう。それでも、相談事に対して相手が真っ先に「そっか、そんなことがあったんだ」と受け止めてくれたら、それだけでうれしさや安心感を覚えるのだと思います。

“なんでも話を聞くよ。だからなんでも話してみて”
“あなたが、あなたらしくいられるために、私に何かできることはある?”

こんな、優しい問いかけを体現することが、子育てコンシェルジュに求められる“仕事”なのでは、と感じました。

支援の“援”には、「手を差し伸べて助ける」という意味があります。
本人の意思を尊重し、寄り添い支え、必要であれば手を差し伸べる。
取材を通じて、子育て支援に限らず、いろんな人と関わり、暮らしていく中で、とても大事な姿勢を学べたと感じました。

(取材:2022/6/13 伊藤成美)

特定非営利活動法人こどもNPO
募集職種 キッズステーション 子育てコンシェルジュ
契約形態 契約職員
雇用期間 採用時~2023年3月31日
以後は相談の上、更新の可能性あり(1年ごと)
給与 185,000円/月~200,000/月 *経験を考慮して決定
試用期間3か月、試用期間中の給与は176,000円/月~190,000円/月
通勤手当実費支給 上限20,000円/月
待遇・福利厚生 各種社会保険加入、賞与あり
仕事内容 ・キッズパーク内における利用者親子の交流促進、情報提供、相談対応
・来所、または電話による子育てなどの相談
・その他キッズステーションの運営に関わる業務
勤務地 名古屋市子ども子育て支援センター 758キッズステーション
名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパークビジネスセンタービル6F
勤務時間 9:30~18:00 7.5時間 休憩60分
土日を含む週5日勤務、勤務日はシフトにより定める
休日休暇 祝日、年末年始、シフトによる週2日
応募資格 資格不問(保育士、看護師、保健師、助産師のいずれか、または子育て支援員の資格をお持ちの方歓迎)
子どもと関わる活動の経験がある方を希望します。
求める人物像 子どもの発達、育ち、権利について理解をしている方
子育て中の親、祖父母等の悩みや不安を傾聴できる方
基本的なPC操作(word、excel)ができる方
一定の接遇・マナーを身につけている方
募集期間 採用が決まるまで
掲載期間:7月13日~8月12日まで
採用予定人数 1名
選考プロセス 下記「問い合わせ・応募する」ボタンよりエントリー

履歴書、職務経歴書をこどもNPO事務局まで送付

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名古屋市緑区乗鞍2-1717
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