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2019-02-15

伝統的なみりんをつくり続けて109年、次の世代とこれからをつくっていく|角谷文治郎商店


※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

愛知県、特に、海に面している知多半島や三河地域は、日本酒、八丁味噌、たまり醤油、お酢、みりん、白醤油など醸造文化が集積しているエリアです。

その中には、創業100年を超える会社も数多く存在しています。

伝統を守りながらも、時代に合わせて変化してきたから残ってきたのだろう。

三河みりん

株式会社角谷文治郎商店は、「米一升・みりん一升」の伝統的な製法を受け継ぎ、本格みりんを造り続け、来年で創業110年になります。

販売先は、百貨店やスーパーなど小売が3分の1、業務用が3分の2。業務用は、飲食店の他に、かまぼこ・ぽん酢などの食品加工メーカーに加えて、パンやチョコレートにも使われるなど幅を広げています。

国内だけでなく、アメリカ、オーストラリア、シンガポール、香港、インド、イスラエル、フランス、イギリスなど十数ヶ国に輸出するなど、碧南から世界へ日本文化を発信しています。

今回の募集では、製造と事務スタッフを募集します。

名古屋駅から名鉄電車に乗って1時間、名鉄碧南駅に到着。そこから15分程、碧南のまち中を歩いていくと会社があります。

角谷文治郎商店

碧南には、みりん屋さんが5社あります。この地域に多いのは、知多半島など近隣エリアに酒蔵が多かったことに起因しています。

みりんの原材料は、”もち米”と”米こうじ”と”米焼酎”。昔は粕取り焼酎といって、日本酒の副産物である酒粕を蒸留して焼酎がつくられていました。近くの酒蔵から酒粕を分けてもらい、みりんをつくっていたそう。ものづくりと地域との関係性を紐解いていくのも面白いですね。

笑顔で出迎えてくれたのは、採用担当の角谷さん。

角谷さん

角谷文治郎商店は、角谷さんの曽祖父が、1910年に創業した会社で、お父さんが3代目の社長。2人姉妹で、妹さんもここで働いている。それぞれの旦那さんも一緒に働き、角谷さんの世代が4代目になる。

「大学を卒業したあと半導体商社で営業を約3年、愛知に戻ってきて特定非営利活動法人 ボラみみより情報局でボランティアコーディネートの業務を約6年したあと、2011年4月に入社しました。」

「出勤した初日は、東海テレビのスタイルプラスで取り上げられた翌日だったこともあり、通販のメールがひっきりなしにくるのを1日中返信していた記憶があります。」

これまで経験してきた仕事と内容が異なり家業ということもあって、両親との距離感の取り方がわからず、うまくいかない日々がしばらく続いた。

家族であることと同時に仕事を一緒にする関係でもある。この壁を超えていくには、仕事で結果を出していくしかないのかもしれない。

「2011年11月に香港での商談会に会社として初めて参加しました。海外への輸出は、40年ほど前からおこなってはいたのですが、商社さん任せでした。商談会に直接行くことは初めてでしたが、香港には日系のスーパーマーケットや日本食のレストランも多く、反応がよかったです。」

そこから新たに輸出業務が加わるなど、仕事を楽しめるようになっていったそう。

「入社するまで、私たちの規模で海外と直接取引できるとは思っていませんでした。自分で現地で行って、そこにどんなみりんや醤油などの調味料が置いてあるのかを見てまわることは、もともと国際協力に興味があって外国語大学に通っていた自分に合っていたのだと思います。」

広報や輸出業務を通じて、外に発信する仕事にやりがいを感じ、仕事を通して生まれ育った碧南のまちに対する意識も変化していきます。

「20代までは、碧南には何もなくてはやく出たい、帰りたくないと思っていました。仕事を通して日々他の醸造蔵の方々と交流したりするなかで、愛知の食文化や醸造文化の凄さに気づき、もっと広めていきたいと思うようになりました。碧南が自分にとって誇れるまちに変わったことは、大きな変化です。」

引き継がれてきた伝統を守りながら、新しいことにも挑戦していく姿勢がみえてきました。

仕込みの期間ということもあり、角谷さんに伝統的なみりんの製法の話など聞きながら、工場の中を案内してもらいました。見学にくる方も多いそうで、丁寧な対応の積み重ねがファンを増やしているのだろう。

みりんづくり見学

「みりんの仕込み時期は、年に2回あります。一日に3トンのお米を蒸して、米こうじ、米焼酎と一緒に仕込みます。2~3か月のもろみ熟成の後、圧搾されたみりんは、さらに貯蔵タンクで熟成され、長期熟成を経て商品になります。」

国内産特別栽培のもち米や有機米を使い焼酎も自家蒸留するなど素材にもこだわり、農家さんとの関係も大切にしている。

「毎年、農家さんのところに行きますし、会社にも来てもらって稲の状況であったり、次年度の計画などをディスカションしています。」

「米一升・みりん一升」。一升のお米から2年かけて一升のみりんをつくるが、角谷文治郎商店のみりんの特徴だ。

「本みりんには、私たちがつくっているようなお米だけで造る伝統的なものと大量生産できるものがあります。一升のお米からみりん5升つくっても本みりんと呼ぶことができます。」

「マーケット全体から見るとシェアは、1%ぐらいです。だからこそ、100人に1人でもいいので、うちのみりんの良さを丁寧に伝えていきたい。」

みりんづくり

工場見学の最中に、何人もの若いスタッフと出会った。どのくらいの人数が働いているのか聞いてみた。

「17名います。1名だけパートさんがいますが、 残りは全て正社員です。杜氏さん・蔵人さんといって、新潟から半年間住み込みでみりんづくりの為に来ていただいていた時期もありましたが、今は社員でつくる体制に切り替えました。」

「お酒づくりに関わる仕事がしたいというので県外の方、新卒で入った方など20代も活躍しています。」

インタビュー

工場見学から事務所に戻り、改めて今回募集する製造スタッフは、どんな仕事や役割なのか聞いてみた。

「募集するのは、製造の中でも瓶詰め工程のスタッフです。お客さまに商品を届けるのに最後に関わる重要な役割になります。」

見学中にその現場も回りました。一本一本、人の目で丁寧に確認している光景がそこにはありました。

検品行程

検品の後は、ラベルを貼り、商品を拭いて、梱包していく工程。

「瓶を拭く工程にも、細かなノウハウが潜んでいます。忙しいときは、私も一緒に作業するのですが、5本拭いている間に、皆さん20本以上終わっています。それぐらいスピードの差があります。」

「自分が関わった一つ一つの商品が世界に届くということを、やりがいとして感じてもらえたら嬉しいです。」

小さな会社なのでこれまでは部署間の変動はなかった。普段は瓶詰めの仕事をしながら、興味がある人にはイベントや展示会にも一緒に行けるようにしていきたいと考えているそう。

瓶詰

もう一つ募集している事務スタッフについての話も聞きました。

「メインの仕事は、商品の受発注や在庫管理などをやってもらうことになります。もう少し広いところでみりんの魅力を一緒に発信していきたいです。」

春に工場内に新しい施設ができます。そこで、調理実習や料理人や料理研究家の方を招いてデモンストレーショントなどをおこなっていく構想もあります。

「いきなり企画の仕事は難しいと思うのですが、ゆくゆくはそういったことも任せていきたいです。」

四代目世代

「来年、会社が110年を迎えるので、これからの20年、30年を、私たち4代目世代と一緒につくっていけるような方に来て欲しいです。」

伝統を守りつつ、次の世代と新しいことに挑戦できるタイミング。

碧南のまちから、日本文化を発信してみませんか。

(取材 2019/1/25 大野嵩明)

株式会社角谷文治郎商店
募集職種 製造3名、事務1名(事務職は終了。)
雇用形態 正社員(3ヶ月の試用期間あり)
給与 163,000円~201,000円
待遇・福利厚生 住宅手当、扶養手当、精勤手当、通勤手当(上限有)あり
昇給、賞与、社内販売割引制度
厚生年金、健康保険、雇用保険加入、健康診断
仕事内容 1.製造
みりんや梅酒などの充填にかかわるお仕事です。具体的には、洗びん機へのびん出し入れ、びん詰めされた商品の検品、びんの拭き上げ、段ボールの収納、びん詰めに関する仕事の準備や片づけなどを行います。未経験の方でも、先輩社員が教えながら仕事をするので安心です。
        
2.事務事務職
受発注にかかわるお仕事です。具体的には、パソコンを使い、伝票作成などの受発注業務を行います。電話応対や来客対応、メールでの注文受付や問い合わせの対応もお願いしたいと思っています。未経験の方でも教えながら仕事をするので安心です。 
勤務地 愛知県碧南市西浜町6-3
勤務時間 8:00~17:00(休憩時間:12:00~13:00、15:00~15:30)
*残業がある場合もあります。
休日休暇  毎週日曜日、土曜日(当社カレンダーによる)、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始
応募資格 学歴不問
求める人物像 ・食やお酒に興味のある方 
・醸造や発酵に関心のある方
・自分で考え、行動できる方
・食品業界で経験のある方
募集期間 5月15日まで(予定) 
※適任者が見つかり次第、応募を締め切ります。
採用予定人数 4人
選考プロセス まずは下記よりご応募・お問合せの上、履歴書・志望動機書・職務経歴書(中途の方のみ)を郵送

書類選考

面接(1-2回)

採用
※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

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