建物をつくるだけが建築とは限らない。設計やデザインを通じて、まちを面白く、世の中を楽しくしていく。|株式会社ミユキデザイン
※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。
ミユキデザインという一級建築士事務所を知らなくても、「サンデービルヂングマーケット」(=サンビル)と言えば「あの柳ヶ瀬でやっているイベントね!」とピンとくる人は結構いるかもしれません。
サンビルは、岐阜市の柳ヶ瀬商店街で毎月第3日曜に開催される、手づくりとこだわりが詰まったマーケットです。
えっ?建築の会社が商店街のマーケットと何か関係あるの?
そんな声が聞こえてきそうですが、ここがミユキデザインの面白いところ。私たちが思い描く“建築”というイメージを超え、多岐にわたるフィールドで活動をしています。
このまちにしかないモノ・空間・人にスポットをあて、商店街を活性化するための集客手段としてスタートしたサンビル。商店街関係者とともにプロジェクトを立ち上げたミユキデザインは、会場づくりとデザインディレクション全般を手掛けています。また、せっかくの集客をまちのために役立てようと、遊休不動産を活用して新たな魅力をつくり続けているのです。
ミユキデザインの事業内容を挙げると、枠にとらわれず横断的な視点から仕事をしていることが分かります。
建築設計はもちろんのこと、リノベーションでの建築再生、まちづくりやイベントの企画運営、インテリア・家具・グラフィックなどのデザイン、シェアオフィスやシェアアトリエの運営など…。
建築やデザインのもつ力を最大限に駆使して、身近なまちや社会をもっと面白くしていきたい。今回は、そんなミユキデザインの想いに共感してくれるスタッフを募集します。
JR・名鉄岐阜駅から徒歩圏内に位置する柳ヶ瀬商店街は、昭和の香りを残しつつも個性豊かなお店が軒を連ねるエリア。ふらりと散策するだけでも楽しい商店街です。
では、その東に隣接する「美殿町(みとのまち)商店街」を訪れたことはあるでしょうか。柳ヶ瀬商店街のアーケードを抜け、長良橋通りの向こう側。呉服店や布団店、和菓子店などの老舗商店が並ぶこの小さな商店街の一角に、株式会社ミユキデザインのオフィスがあります。
取材に向かうため商店街を歩くと、いかにもレトロな外灯や看板に心をくすぐられます。昔ながらの古いまちのように見えて、実は新たな飲食店など注目のスポットも増えているのだとか。
「まちでつくるビル南館4階」という住所を頼りに進んでいくと、現れたのは立派な家具店。ミユキデザインは、家具店4階の倉庫をリノベーションしてオフィスを構えているのだそうです。
細い道路を挟んで向かい側には、「まちでつくるビル」の本館が建っています。以前は家具展示場跡だった、こちらのビル。商店街と岐阜市にぎわいまち公社との協同プロジェクトで、ミユキデザインがリノベーションを手掛けました。クリエイターが刺激し合いながらものづくりに取り組み、発信をしていくシェアオフィスとして活気を生んでいます。
さて、ミユキデザインのオフィスへ。建築設計事務所って、どんな雰囲気なんでしょうか。
ドアを開けると、コンクリートの天井と白い壁、電球のぶら下がった打ち合わせ室。それから、キッチンカウンターの明るいブルーが目に飛び込んできました。さらに奥の空間は、みなさんがはたらく作業スペースとなっているようです。
お話をお伺いしたのは、代表取締役の末永三樹さん(写真右)と取締役の大前貴裕さん(写真左)。どこか凛とした佇まいでありながらも、気さくなおふたりです。
「私の写真を見たスタッフのご家族は、“なんだか怖そうな上司だね”って言っていたみたいですよ(笑)」と末永さん。そう笑いながら話してくれる自然体な姿に、むしろ安心感を覚えます。
ミユキデザインでは幅広い事業を展開していますが、今回募集しているスタッフは、具体的にどのような仕事を担当する予定なのでしょうか?
「最初は、小規模なリノベーション案件から携わってもらうことが多いです。例えば直近では、美殿町で治療院の新規開業に向けたリノベーションを進めているところ。チームでの仕事に慣れてきたら、徐々にプロジェクトのメイン担当をお任せします」
「行政政策の企画をみんなで一緒に考えたり、イベントで使う什器をDIYしてみたり…。毎日パソコンに向かって仕事をするだけでなく、実際に手を動かす場面も。ただ、その人の経歴や得意分野に合わせた仕事をお任せできればとは思っています。これがやりたい!ということがあれば教えてください」
行政と連携したプロジェクトは多数進行していますが、最近の例を挙げると岐阜市主催の「OPEN SPACE LABO」もそのひとつ。オープンスペース・ラボとは、まちなかにある公共空間の活用方法を考え、実験するプロジェクトです。
「2020年10月2日〜11月1日の約1か月間、岐阜市の金公園に小さな広場とハンモック、テーブルやベンチなどを設置。キッチンカーの出店や、マルシェなどのイベントを行いました」
まちや空間をより良くしていくためには、新たに建物をつくるだけが手段とは限りません。リノベーションをすることもあれば、それよりもイベントやコンテンツの仕掛けが必要な場合もあります。建築設計だけではなく、いろいろ挑戦してみたい欲張りな人には向いているのかもしれませんね。
大前さんは岐阜市生まれですが、名古屋市で過ごした期間が長く、地域と深い関わりがあったわけではありません。県内出身の末永さんも、岐阜市に訪れる機会はあったものの、美殿町はゆかりのないエリアでした。そんな2人がミユキデザインを立ち上げ、この地でたくさんのプロジェクトを手掛けるようになるまで、どのような経緯があったのでしょうか?
そもそものきっかけは、一級建築士としてはたらいていた大前さんが2011年に「岐阜市商店街活性化プロデューサー」に就任したことから。
「2人で柳ヶ瀬商店街の活性化事業に取り掛かったのですが、会社員として勤務しながらやれることに限りを感じて…。もっとまちと向き合うため、独立してミユキデザインを設立しました。その後、建築士視点で遊休不動産を復活させてまちに若者を呼び込もうと、まちでつくるビルのプロジェクトを始動させたんです」と大前さんは説明します。
まちでつくるビルができたことで、商店街の風向きも変化。今度は、近隣の「矢沢ビル」のリノベーションにも着手しました。岐阜大学准教授から大学のサテライト研究室をつくりたいと相談を受けていたことから、2階には研究室「美殿町ラボ」を設置。1階の角には、本好きのあいだでは知られた存在の「古書と古本 徒然舎」が入居しました。
さらに、先述したサンデービルヂングマーケットや、雑居ビルをリノベーションしたシェアアトリエ「カンダマチノート」など、まちでの精力的な活動から続々とプロジェクトが誕生。
「人とつながり、まちとつながっていくうち、デザインを通じてまちが面白くなるのっていいなと実感しました。はじめから“まちづくり”を入り口としていたわけではなく、面白いモノ・コトの連鎖が結果的にまちの姿を変えていったのです」と末永さんは振り返ります。
現在、ともに働く仲間は末永と大前さんの他に3名。また、サンビルの運営などを行っている柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社の事務所も同室に共存しています。実際のところ、社内はどんな雰囲気なのでしょうか?スタッフとして勤務する田口沙也香さんに、リアルな声を聞いてみました。
「和気あいあいとしているときもあれば、集中ムードのときは静かな雰囲気です。みんなそれぞれ忙しいので、分からないことがあるときは物怖じせず自分から聞きにいける人のほうがミユキデザインに向いていると思います!」
スタッフ同士の仲は?プライベートでの付き合いもあるのでしょうか。
「スタッフ同士の距離感も近くて、個人的には、柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社でスタッフとして働いている子と特に仲良しです。会社の近くで同じシェアハウスに住んでいるので、周りにはいつも一緒だねと言われます(笑)」
まちで暮らし、仕事をするうちに、自然と同世代の知人・友人も増えていったそうです。
「近くの飲食店やショップに通っているうちに、だんだんと知り合いが増えました。休日になんとなくまちに出るだけで、見知った顔によく会います」
市外・県外に住んでいてまちのことをよく知らない人でも、積極性があればすぐに溶け込めそうです。コミュニティの輪を広げたいという人には、うってつけの環境ですね。
今回の求人では、雇用形態も柔軟に対応。正社員とパートナー契約の2つの形態で募集をしています。
「通常の社員登用だけでなく、多様なはたらき方をつくっていきたいんです。すでに建築やデザインの業界で活躍していて、ここで新たなトライをしてみたいという人ならパートナー契約でのダブルワークもOKです」
最後に、これからミユキデザインの一員となる人にどんなことを期待しているのか尋ねました。
「知識や技術はもちろんあったほうがいいですが、その力をどう使うかという考え方のほうが大切です」と答える大前さんに、末永さんも頷きます。
「とある方からの受け売りではあるのですが、建築士の仕事って庭師に例えられると思うんです。庭にはすでに樹木や草花が生えていて、元気なものもあれば調子の悪いものもある。バッサリ枝を切るのか、形を整えるのか、肥料や水を足すのか。各所に最適な方法で庭師が庭全体をお手入れするように、建築士はまちや建物をお手入れするのが役目です」
ミユキデザインの理念は、“あるものはいかそう、ないものはつくろう”。その時々で用いるべき手段が異なるからこそ、必然的に事業内容やプロジェクトの範囲も広がっていったのですね。
ここで経験できるのは、一般的な「建築設計事務所の仕事」でも「イベント企画会社の仕事」でもなく、「ミユキデザインの仕事」なのだと思います。自分たちが楽しく仕事をしながら、周りの人や環境も楽しくしていく。そんなはたらき方ができたら、ワクワクすると思いませんか?
(取材 2020/11/17 齊藤美幸)
株式会社ミユキデザイン | |
募集職種 | 地域とつながり、社会をより良くしていく建築士・デザイナースタッフ |
契約形態 | 正社員/パートナー契約 |
給与 | ・新卒または実務経験3年未満 月給180,000円〜 (建築・美術系大学・専門学校卒業) ・実務経験者 月給230,000円〜 (建築設計監理・内装設計監理等の実務経験3年以上) ・パートナー契約の場合、要相談 |
待遇・福利厚生 | ・正社員の場合 賞与 業績による(年1〜2回) 加入保険 厚生年金保険・雇用保険・労災保険 ・パートナー契約の場合、要相談 |
仕事内容 | ・建築設計・施工監理 ・リノベーションの設計・監理 ・インテリアデザイン ・まちづくりの戦略づくりおよびプロデュース業務 ・場づくりを伴うイベントの企画・運営 ・不動産活用、シェアオフィスの管理 |
勤務地 | 株式会社ミユキデザイン(岐阜市美殿町43まちでつくるビル南館4階) |
勤務時間 | ・正社員の場合 9:30〜19:00 ・パートナー契約の場合、要相談 |
休日休暇 | 日祝日、隔週土曜、夏季および年末年始 慶弔休暇(イベント等で週末出勤になる場合は振替) |
応募資格 | ※Vectorworks、Photoshop、Illustrator、Excel、Word、Powerpointができる方を優遇します ※資格取得者を優遇します |
求める人物像 | ・明るく健康的で、人を笑顔にするのが好きな方 ・困ったことがあれば、先輩や仲間に相談できる方 ・設計やデザインがとにかく好きな方 |
募集期間 | 12月9日~01月10日まで |
採用予定人数 | 未定 |
選考プロセス | 1.下記「問い合わせ・応募する」ボタンよりエントリー 2.履歴書・ポートフォリオによる1次選考 3.面接 4.試用期間(2〜3か月程度)を経て採用 |
※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。
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