まちのメインストリートに新たなにぎわいを生む。岐阜県関市でまちづくりをリードするキーマンに。|関市役所
※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。
まちの資源を生かし、そこで暮らす人、はたらく人たちをつなぐ。多くの人を巻き込みながら地域の課題解決に向け、最適なアイデアを提案、実行する。地方の活性化が叫ばれ続ける中、こうした役割を果たす「まちづくりコーディネーター」と呼ばれる人たちが、日本各地で活躍しています。
今回ご紹介するのは、岐阜県関市のまちづくりコーディネーターの募集です。公共空間の活用、地域のプレーヤーたちとの連携、まちの人材育成。関市の官民のたくさんの人たちと一緒に、まちづくりをリードしていく仕事です。
関市が今まさに実行している人が集う場づくりの社会実験や、そこでどんな人たちと関わっていくのか、新たなまちづくりを進める関市都市計画課のみなさんにお話を聞きました。
関市がどんなまちか知っていますか?
岐阜県の中濃エリアに位置するまち。全国的に「刃物のまち」としてよく知られています。鎌倉時代以来の刀鍛冶の技を継承して作られる刃物は日本だけでなく海外でも高く評価されるほどのもの。
人口は約86,000人。いくたびの市町村合併を経て今の市域となりました。地図上で真上からみると、ウサギのような形をしています(Webの地図などで見てみてください、ちなみに関市のイメージキャラクターもウサギモチーフ)。ウサギの顔にあたる部分は市役所をはじめ公共施設も集まる市街地エリア。耳の部分はユズ、キウイなど美味しい果物もたくさん獲れる自然豊かなエリア。市街地エリアの北西部(ウサギの右耳)には、写真映えすると有名な通称「モネの池」があります。さらに、1000年続く長良川の「小瀬鵜飼」も毎年多くの人が見に訪れる観光資源です。豊富な観光資源を活かすために、近年は観光拠点となる「刃物ミュージアム回廊」の整備も進められてきました。
他方で、暮らしの場としては、まちの未来に向けて取り組むべき課題も。都市計画課の佐藤さんは、関市の現場と目指す姿についてこう語ります。
「関市でも徐々に人口減少が進んで、市街地エリアでは空き家や空き地が増えてきています。こうした状況に対して、市では計画を立て、地域の魅力を高めるために「市街地中心部活性化プロジェクト」を立ち上げ、新規事業の計画を進めてきました。関市の中心ともいえる「本町」でまちににぎわいを生む社会実験や空き家の活用に積極的に取り組み、「にぎわい・つながりのある 歩いて楽しいまち」づくりをしたいと考えています」
現在考えられている事業は、本町商店街エリアに「にぎわい横丁」として整備し、関市のまちづくりのモデルであり拠点とすること。「本町BASE」という、広いコミュニティースペースや屋外広場のある施設を開設。周辺の空き店舗、空き家、空き地の活用も進めていく計画です。
「本町」はどんな場所なのでしょう。都市計画課の中村さんはこう語ります。
「本町はいわゆる昔ながらの商店街です。長く関市に住んでいる人は、誰でも本町へふらりと出かけて買い物をした記憶があると思います。刃物まつりや地域のイベントなどでもメインストリートとなる場所ですし、まちの人たちにとって愛着の湧く場所ですね」
「市内の高校で、関市のまちづくりについて考える授業をした際、商店街がにぎわっていた時代を経験していない高校生たちも『本町が大切だ』と言っていました。世代を問わずに愛着のある場所なんですよね。だからこそ、そこから将来に向けたまちづくりをスタートさせていきたいんです」
関市では、にぎわい横丁の整備に向けて、宮崎県日南市の油津商店街で再生事業を手掛けてきた木藤亮太さんを呼び、継続的に市民参加型のセミナーやワークショップを開催してきました。今年2月に開催された「にぎわい横丁×プレーヤー」と題されたセミナーには、本町でなにか挑戦してみたいと考える市内外からたくさんの人が集い、活発な議論がされたと言います。
「関市の人だけでなく、市外からも『本町でお店を出したい』という声が聞かれます。ポテンシャルを感じる人が多いのはとても嬉しいですね。関市にはビジネスの立ち上げを支援するSeki-Biz(セキビズ)という施設もあるので、そことも連携しながら空き店舗でのチャレンジを促していけると思います。また、昔から周辺でお店を出していて事業を始めることはないけれど、『新しいお店ができたらみんなで応援したいよね』と言ってくださる地元の人も多いんです。まちづくりコーディネーターとしてはたらく上でも、心強く感じてもらえると思いますよ」と中村さん。
関市では、20代、30代の女性を中心に、お寺でのマルシェが定期的に開催されるなど、若い世代のまちづくりへの意欲も高いといいます。小学校区ごとの自治会の代表者を中心にまちの将来ビジョンを話し合う地域委員会も組織されている。また、ボランティア団体をつなぎ、支援する市民活動センターを運営するまちづくりNPO法人もあります。幅広い世代の交流とまちづくりプレーヤーの育成も今後さらに進めていきたい課題のひとつです。
幅広い世代のまちづくりに熱い人たちがすでにいるのは、コーディネーターとしても頼もしく感じる環境だと思います。
さて、関市役所での取材後、都市計画課の中村さん、佐藤さんに本町へ案内してもらいました。関市役所は、以前は本町商店街に隣接していましたが、車で10分弱のところへ移転されました。
まず「本町BASE」の建設予定地へ。今はなにもない空き地ですが、広々としたスペースの奥の3分の1ほどが建物の敷地となり、残りの場所は広場として活用されるとのこと。いろいろなイベントが考えられそうです。
そこから左右に商店街を眺めてみると、今も残るアーケードがずっと伸びています。
「このアーケードも、昔はもっと長かったんですが、お店が閉まったり、建物が取り壊されたり、区画ごとに再開発も進められて、今の状態になっています」と佐藤さん。日本全国の商店街が悩みを抱えるように、この本町でも後継者がいなくて閉店するなど、長年愛されてきたお店が姿を消しつつあるそうです。
「あそこのお店のお菓子はすごく美味しかったんですよ」
「あの手芸店は、お裁縫する方には欠かせないお店だったんですけどね」
閉じたシャッターを眺めながら、本町にあったお店のエピソードをいろいろと聞かせていただきました。たしかに、お店とお店の間にいくつも空き地ができています。間口に対して奥行きがある空き地の形は、この商店街の歴史の長さを物語っているようです。
一方で、今も続くお店もたくさんあります。
「関市はうなぎが有名で、こちらのお店もいつも満席ですよ」
「このお店の技術は新聞でも取り上げられる一流のものなんです」
商店街のお店を子どもたちが訪問してお話を聞く企画も実施しているのだとか。まちの人たちがこの商店街を大切にしていきたいという思いが垣間見えました。
今回募集するまちづくりコーディネーターの主な役目は、本町BASEを中心ににぎわい横丁をどう活性化していくか考え、実行していくこと。本町BASEでのイベントやセミナーの企画、周辺エリアをはじめとする市内の空き家や空き店舗の活用計画の作成などを行います。都市計画課課長の山田さんに、応募者への期待を聞いてみると。
「まちづくりのハード、ソフト両方の企画・運営に、どんどん新しいアイデアを出してもらいたい。行政の職員、まちのプレーヤー、あるいは外部のプロフェッショナルの方々をうまく巻き込みながら、今までの関市にはない動きを生み出していってほしいと考えています。今回は都市計画課の一員としての採用になるので、もちろん私たちもアイデアの実現に向けて一緒に走らせてもらいます」
「なによりもまちの人たちの中に積極的に入っていってもらいたいです。地域への愛着のある人も多いので、その思いを共有しながらグイグイ進めるための知恵を絞ってくださる方に来てもらえたらと思っています」
空き家の活用については、本町商店街エリアで明治時代から残る建物を地域のために活用してほしいというオーナーさんもいます。行政だけでなく、地域の人たちの思いも受けながら、いろいろな人と関わって新しいまちのカタチを模索していく、できることの可能性がとても大きな仕事だといえるでしょう。さらに、にぎわい横丁の整備に伴い、まちづくりプレーヤーの発掘と育成、関市の職員に対するまちづくりに関する教育などもコーディネーターの業務として考えています。
イベントやセミナー企画・運営、対話の場づくり、建築設計や空間の活用、人材育成など、多様な知識や経験が生かせる仕事です。応募要件の中にまちづくりに関する実務経験が含まれていますが、年数よりも実績を重視するとのこと。これまで別の地域や他の業界で培ってきた経験値を生かしたいという人には、その熱量を十二分に発揮できるフィールドかもしれません。
関市は、名古屋からも車や電車で1時間半程度。交通の便も決して悪くありません。もし関市への移住もお考えなら、市街地を少し離れると大きな家に安価で暮らせる環境もあります。ウナギ、アユ、様々な果物など美味しい特産品もいっぱいです。都市計画課に入ると、山田さんのお宅で獲れる美味しいキウイのおすそ分けもあるとか(笑)ご興味のある方は、応募はもちろん、ぜひ関市へ足を運んでみてください。
(取材 2020/02/26 小林優太 )
関市役所 | |||||||||||||||||
募集職種 | まちづくりコーディネーター | ||||||||||||||||
雇用形態 | 常勤(任期付) ※任期付きの正規職員として採用 |
||||||||||||||||
任期 | 3年(令和2年8月1日~令和5年7月31日) ※事業の進捗状況、業務実績、本人の意向に より、採用日から最長5年まで更新あり ※任期付きの正規職員として採用 |
||||||||||||||||
給与 | 市の条例に基づき、学歴、実務経験、年齢等を考慮して決定します。なお、学歴、勤務期間、実務経験期間等は、最終合格決定後に提出していただく卒業証明書および在職証明書により確認します。
|
||||||||||||||||
待遇・福利厚生 | 通勤手当・住居手当・時間外勤務手当などの手当が支給されます。 賞与 年間4.5ヶ月(6月:2.25ヶ月、12月:2.25ヶ月) 昇格等 昇格:無し 昇給:無し 全職員を対象とした定期健康診断等を実施しています。健康保険等は、岐阜県市町村職員共済組合に加入します。また、職員間の相互扶助のための各種事業を実施している職員互助会に加入します。 |
||||||||||||||||
仕事内容 | 民間企業、公的機関等において身につけた、まちづくりに関する実務経験と人的ネットワークを生かし、関市立地適正化計画に基づく市街地中心部の活性化を図るための以下の業務を市民との信頼関係を構築しながら、企画立案し実行する。
にぎわい横丁の企画・運営 古民家の活用計画の作成と改修後の運営 まちづくりのプレーヤーとなる人材の発掘と育成 職員のまちづくりに対する教育 市街地中心部の活性化に関する新規事業の提案 ※上記のほか、市長の指示する業務を行っていただきます。 |
||||||||||||||||
勤務地 | 〒501-3894 岐阜県関市若草通3丁目1番地 | ||||||||||||||||
勤務時間 | 1日8時間45分(休憩時間:1時間含む) | ||||||||||||||||
休日休暇 | 1週休2日制のほか、祝日、年末年始(12月29日から1月3日まで) ただし、まちづくりコーディネーターの業務上、変則勤務となる場合があります。 休暇:年次有給休暇、各種特別休暇等があります。 |
||||||||||||||||
応募資格 | (1)民間企業、公的機関等において、まちづくりに関する実務経験と高い専門能力を有し、実務経験が令和2年3月末までに5年以上ある人、もしくは同等の能力を有する人 (2)民間企業等での業務経験を外からの視点として生かす意欲と情熱にあふれた人 |
||||||||||||||||
募集期間 | 2020年3月2日(月)から3月25日(水)まで ※受付期間内の消印があるものに限ります。 ※申込方法:所定の申込書に必要事項を記入して、秘書課へ提出。(窓口持参または郵送) |
||||||||||||||||
採用予定人数 | 1人程度 | ||||||||||||||||
選考プロセス |
第1次試験 書類審査 ※申込時に提出する書類の内容を審査する。 ↓ 第2次試験 適性検査および面接試験(2020年5月中旬) ↓ 第3次試験 プレゼンテーション面接試験(2020年6月初旬) ※提示するテーマについてプレゼンを行う。詳細については、2次試験合格者に通知する。 |
※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。
まちの求人
大ナゴヤ大学 はたらく課では、求人情報を掲載させていただける企業を募集中です。
メール:info@hatarakuka.jp