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2016-09-13

パン作りに向き合い、人を育てるお店【はたらく推薦図書 第18回】


世界も驚くおいしいパン屋の仕事論

2年程前に、岐阜県の高山にあるパン屋さん「TRAIN BLEU」で買ったパンは美味しくてお店の名前を覚えていました。そして、本屋さんで次に読む本を探していた時に「TRAIN BLEU」オーナーシェフの成瀬正さんが書いた本を見つけました。

本のタイトルは『世界も驚くおいしいパン屋の仕事論』(2016年 PHP)。人気のパン屋さんが普段どんなにことを考えながら仕事をしているのか気になったので読み始めました。

高山の生まれの成瀬さんは、「故郷の高山で、こだわりのパンを作る。故郷の人に愛されるパンをつくりたい」という想いがあり、東京での修行を終え26歳の時に戻ってきました。東京から戻ってきてお店をオープンするまでの3年間、自分の作ったパンがどれだけ受け入れられるかを確かめるために、自分で焼いたパンの営業をしていた時には、「そんな高いパン、買えない」「無謀だ」という声もあったそう。

「本物のパンを地方で」という価値観を提示することのハードルの高さを実感しながらも、自分で心からおいしいと思い、お客様に召し上がっていただきたいと思うパンを作ってお客様に新しいおいしさを知っていただくことでしか、生きていく道はなかったとあるように、最初からうまくいったわけではなく、自分を信じて、日々のパン作りに向き合い、歩み止めないことが大切なんだなと感じました。

パンづくりは職人のイメージがあり一人でつくるものだと思っていましたが、成瀬さんはパンはチームで作るものと考えています。パンは人と人とのかかわりあいの中で完成し、いいチームで作れば輝きは増し、顔ぶれが変われば、違った輝きを放つようになるとあるように、人との関わりあいを大切にするお店でもあります。実際に、お店で修行して独立した方は13名いて、今も経営者として頑張っているそう。

パン作りに向き合い、人を育てるパン屋さんの本。チームで働くことを大切にしたいと思っている方には、読んでもらいたい一冊です。

最後に、先日「TRAIN BLEU」さんに行ってきました。どれも美味しそうで、買いすぎてしまいました。素敵なお店なので、是非訪れてみてください。

世界も驚くおいしいパン屋の仕事論

世界も驚くおいしいパン屋の仕事論

タイトル:世界も驚くおいしいパン屋の仕事論
著書:成瀬正
出版社:PHP