本物のわらび餅を求めて”はたらく”を生み出す
わらび餅は何からできているか、知っていますか?
もともとは名前の通り、原料としてわらびの根から取れるデンプンであるわらび粉が使われていました。今は、サツマイモやタピオカから取られたデンプンを使用したわらび餅がたくさん流通しています。皆さんが、普段食べているわらび餅は、後者のものかもしれません。
今でも、わらび粉を使ったわらび餅をつくっているところもあって、高級品になっているそうです。
岐阜県飛騨市神岡町の山之村地区も、昔はわらび粉を生産していて、和菓子業界ではいまでも品質が良いわらび粉を生産している地域という印象は残っているものの、今は生産は途絶えています。
この地域に入り込み、わらび粉の生産を復活させようと活動している、森林文化アカデミーに通う前原さんに、大ナゴヤ大学の事務所に来ていただき、”わらび粉”できた「わらび餅」を味わうワークショップを開催していただきました。
まずは、サツマイモのでんぷんでつくったわらび餅。食べ慣れているわらび餅といった感じ。
続いて、九州産のわらび粉をつかったわらび餅。舌触りが滑らかで、歯ごたえがありました。
最後に本命の、地元(飛騨)のおじいさん、おばあさんに教えてもらいながら作ったわらび粉を使ったわらび餅。九州産のわらび餅より、しっかりとした歯ごたえがありました。
同じわらび餅でも、こんなに違いがあるとは・・・。わらび粉をつくるには、掘る、洗う、叩く、漉す、沈殿させる、乾燥されるといった作業工程があり、手間もかかります。そのために、高齢化が進んで地域で続けていくことは難しいし、時代と共に需要も減っている。
このような状況の中で、前原さんは、わらび餅が好きで、その先の事を知りたくなり勉強し、わらび粉にいきつき、自分で復活させる事業を立ち上げ、地域や和菓子業界も巻き込みながら進めていこうとしています。
自分のやりたいことであり、地域のためでもあり、我々にとっても美味しいものが食べれて、皆が幸せになるこれからの”はたらく”のあり方だと感じました。
個人的にも、はたく課でも応援していきたいプロジェクト!今後も注目していきます。