自分らしく”はたらく”人に出会う旅 -後編-【島根県江津市】
2日目の朝食は、蔵庭さんでいただきました。ここには、戸田耕一郎さん、望さんが営む週末カフェ「kuraniwa」と、峠土純子さんが営むベーカリーショップ「tsumugi(紬麦)」が同居しています。
奥さんの望さんは、隣の浜田市出身。島根に何度も帰省するうちに、デザインの仕事をしていた耕一郎さんは、こちらでも仕事をつくれるのではと考え、1か月半程滞在。その中で、 sukimonoの平下さんなど街のキーマンに出会い、その時に江津の人の魅力に惹きつけられたそう。
また、望さんは、東京の飲食店で働きながら、いつかは自分のお店を持ちたいと思っていたそう。お子さんが生まれ、子どもを大切にしながらの暮らしにシフトしていきたいと考えた時に、自分の地元島根を選択。
隣に同居しているtsumugiの峠土さんは、隣の浜田市役所で働いていたそう。自分のやりたいパンの仕事をする為に退職し、広島にあるパン屋さんで10年程修行。独立を考えていていたタイミングで、「江津ビジネスプランコンテスト(Go-Con)」を知り応募。大賞はとれなかったものの、そこでの繋がりもあり金融機関から融資を受けることができ、自分のお店を持つことに。
続いて、石見麦酒さんに移動。ここは、クラフトビールの醸造所で、この地域ならではの地酒をつくりたいと、山口さん夫婦で9坪程の小さなブルワリーを立ち上げました。
ちなみにこれは、ドライスタウトです。低温で抽出したコーヒーを加え、フルーティーな香りとすっきりとした後味を演出。浜田市のナマケモノ珈琲さんが焙煎した豆を使用しているそう。
工場の設備は、家業の木工会社での経験を活かしほとんどが手作り。また、地元食材を利用した新たなビール造りにも常にチャレンジしており、訪れた日も試作中のものを試飲させていただきました。
この日のお昼は、キッチンカースタイルの店舗ひなた食堂 ますやさん。枡さんご夫婦は、奥さんの実家が江津市にあり、神奈川県から奥さんはUターン、旦那さんはIターン。
この日は、自動車販売店のオープン記念イベントに出店していました。イベント出店に加えて、飲食店にアクセスしにくい地域や病院等へも出向くこともあるそう。
最後は、少し移動して、江津市の隣にある浜田市に事務所があるシマネプロモーションさんへ。素敵な建物で、2階は女子専用のシェアハウス、1Fは事務所兼コワーキングスペースになっています。
シマネプロモーションの代表を勤める三浦さんは、江津市の隣の浜田市出身。島根にはいいものがたくさんあるのに、知られていない、伝わっていないという課題を解決するには、島根をプロモーションする人が必要という考えからUターンを決意。「江津ビジネスプランコンテスト(Go-Con)2011」に応募し、課題解決プロデューサー部門の大賞を受賞。
東京で議員秘書や国際NGOの職員として働いてきたので、プロモーションや企画といった職業に携わった経験はなかったそう。
今回の旅では、8名の方にお会いすることができました。共通していることは、皆さんそれぞれ想いが具体的であり、それを実現するために実行していること。そして、自分の選択で”はたらく”を選んでいるので、大変な面もたくさんあると思いますが、それ以上に、はたらくことを楽しんでいることが伝わってきました。
誰と、何処で、何をするかを、改めて自分に問い直してみることで、自分らしく”はたらく”糸口が見つかるかもしれません。