超AI時代に備え、こらからの生き方をアップデートする〜【はたらく推薦図書 第33回】~
副業、パラレルキャリア、働き方改革、人工知能(AI)の発展になど、これからの働き方を考えていく中で世の中がどうなっていくのかを自分なりに考え、そこに適合していく必要があります。
今回のはたらく課推薦図書で紹介する本は、『超AI時代の生存戦略〜2040年代 シンギュラリティに備える34のリスト〜』(2017年 大和書房)です。
これから訪れるであろう「超AI時代」を生き抜いていくために必要なスキルやマインドセットなどについて解説されています。その中で印象的だった事柄を紹介していきます。
「ワーク”アズ”ライフ」を見つける
ワークライフバランス(=仕事と生活のバランス)という言葉は、働き方を考えるうえで良く耳にします。しかしながら、ワークとライフを2つに明確に分けることができない働き方をしている人もいるのではないでしょうか。例えば、ユーチューバー(Youtuber)など仕事か趣味か区別できないことをやってお金を稼いでいる人も増えています。
仕事の休みの日を使ってやっている趣味が仕事になるなど、仕事か生活の2つに切り分けることができない曖昧な領域がある中で、これからの時代に適合していくには「ワーク”アズ”ライフ」を見つけることが大事だと、著者は言います。
グローバル化とインターネット化を通信インフラの整備によって、ワークライフバランスという言葉は崩壊したことを意味している。ワークとライフの関係性は完全に「バランス」ではなくなった。これからは「ワーク”アズ”ライフ」、つまり差別化した人生価値を仕事と仕事以外の両方で生み出し続ける方法を見つけられたものが生き残る時代だ。
1日8時間の拘束時間の中で、会社に帰属する仕事をやり続けるのではなく、Googleの20%ルールのように遊びや趣味の時間など生活に近い部分から生まれる仕事もあるはず。自分なりのワークアズライフを実現していく中で、「報酬とストレス」という捉え方の方が今の働き方を象徴していると、著者は言います。
働く時間、休み時間という捉え方より、ストレスがかかることとかからないことのバランスの方が重要だ。1日中「仕事」や「アクティビティ」に従事していても、遊びの要素を取り入れてストレスコントロールがちゃんとできていれば、それでいい。
人間らしいことをしていく
エクセルや会計ソフトができて劇的に生産性が上がったのと同じように、これまでの仕事の中でAIに任せることができる仕事が増えていく時代がくるのではないだろうか。その速度はどんどんはやくなり、対象となる領域も増えていく。能力的に取り替え不可能な人類が存在しなくなったら、趣味ぐらいしか差が見えなくなると、著者はいいます。
コンピューターは限りなく透明になろうとする圧力がある。それとは異なり、人間は透明なところに趣味性をつけて行動していく。「色が付いた趣味というのは何か?」というのを見極めておかないと、シンギュラリティ化していく合理性に吸収されてしまう。つまり、ものごとには透明性と趣味性があって、人間だけが個人の色を付けていくことができる。
しかしながら、自分のことは、自分でもよくわからない。「やりいたいことは?」と聞かれると困ってしまう方もは多いのではないでしょうか。「やりいたいことは?」を見つける方法として、著者は以下のように言います。
「一番やりたいことって何か?」といえば、「すべてのタスクから解放されたときに、最初にやりたいこと」だと思う。
ストレスを管理する
仕事でのストレスは、飲みにいったり、週末に遊んだりしてストレスを発散しているなんてことはないでしょうか。ワークとライフを切り分けて、ライフの時間を使って、ワークのストレスを発散する。このバランスが崩れるぐらい働きすぎると精神的につらくなってしまう。一方で、どれだけ長時間働いていてもストレスが少なく生きている人もいる。その違いは、何か。ストレスの原因となる多くは、自分で決めたルールや仕組みに基づいていると、著者は言います。
主体性を追い求めすぎるとストレスフルな状態になるということだ。古代中国の老荘思想などでも言われていることだが、「無為自然な感じに生きる」というのが最もストレスを感じない。それでは、「無為自然」とは何かといえば、それは「自分が主体的だと思わない」ということだろう。
超AI時代がくると言われるこれからの時代の中で、どんな思考をベースに働き方や生き方を選択していたらいいのかを考える上で、おすすめの一冊です。
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