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2017-04-12

誰も教えてくれない「考え方のコツ」〜【はたらく推薦図書 第31回】~


考え方のコツ

「考えること」について、学んでみようと思ったことはありますか?
世の中が変化する中で、答えがないことを考えて自分なりの正解を導きだし行動することが求められています。「知ること」より「考えること」を”自分自身の新しい学び”として体得することが重要になってきています。

今回のはたらく課推薦図書で紹介する本は、『考え方のコツ』(2014年 朝日新聞出版)です。

一日二回「思考の時間」を確保する

日々の仕事中で、じっくり考える時間を確保していますか?
作業などの時間に追われることで、考える時間がとれないなんてこともよくあります。著書の松浦さんは、できる限り一日二回(午前と午後)思考の時間をスケジュールに組み込んでいると言います。集中力が続くのは一時間が限度なので、思考は必ず一時間で切ることも大事。

知らないことを調べない

世の中でうまくいっている事例を調べたり、過去の経験から判断して物事を決めていることは多いのではないでしょうか。「考えること」と「知識があること」は、水と油ほど違うと著者は言います。

考えるとは、自分で何かを生み出すこと。一方、知識とは、誰かが生み出したものをせっせと集めてくることです。

情報を収集し、知識が豊富になっただけで「自分で考えた」とは思ってはいけません。人の知識を借りているのに、「自分のアイデアである」と勘違いするのは大きな過ちです。

同じようなモノやコトが増えているように感じるのは、もしかしたら自分で考えるという行為をしなくなった結果なのかもしれません。

「知らないこと」の中に答えがある

自分で考えたアイデアは、まだ世の中にないものなので答えを誰も知りません。この「知らないこと」の中にこそ答えがあります。

知らないことから答えを導きだし、行動に移していくのに欠かせないのが「想像力」。思考は自分一人の世界で行うもので、仕事は社会の中での営みです。自分と社会をつなげる橋渡しとなるもの、それが「想像力」だと著者は言います。

「このアイデアを形にし実行したらどうなるのだろう?」と、先々まで想像してみましょう。思考の果てに生み出したアイデアは、自分だけの発明です。それはまだ試していない「経験されていないこと」です。(略)

新しいアイデアがどうなるか、その答えは常に「知らないこと」の中にあります。知らないのあれば、想像するしか道はありません。

消費の時間・投資の時間・浪費の時間

時間は有限にも関わらず目に見えないのでその存在を忘れ無駄に過ごしてしまうことがあります。時間には、「消費」「投資」「浪費」の三種類があるという意識を忘れてはいけないと著者は言います。

移動時間は多くの人に欠かせない「消費の時間」だし、人には気分転換に遊ぶような「浪費の時間」も必要です。とはいえ理想的には、一日二四時間の大部分を「投資の時間」にしていくべきでしょう。(略)

「今、自分は何のために時間を使っているのか」を常に意識する工夫をしましょう。仕事はもちろん、遊ぶこと、休むことも同じです。「今休んでいるんだ」「今遊んでいるんだ」という意識を持つべきだと思います。もし、無意識の時間が多ければ、水道の水を出しっぱなしにしているのと同じこと。かなり注意しなければなりません。

他の人が良いと言っていることをなんとなく良いと言っているのか、自分の頭で考えて良い言っているのか。インターネットを通して、誰でも簡単にたくさんの情報を手に入れられる時代だからこそ、自分の頭で考えたオリジナルのアイデアが大切。

仕事の中で考える習慣を身に付けていきたい人にはおすすめの一冊です。

タイトル:考え方のコツ (朝日文庫)

著書:松浦弥太郎
出版社:朝日新聞出版