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2018-09-12

”自分ごと”からはじめる大人のための学び方【はたらく推薦図書 第38回】


学びの場

学び続けるということは、変化する時代において大事なことではないだろうか。

大ナゴヤ大学という”学びの場”を運営して、9年が経過しました。
参加者の年齢は、20代後半〜40代の社会人を中心に高校生〜60歳以上の方まで幅広いです。

授業に生徒として参加することで、自分の知らない分野のことを知れ、新しい出会いがあります。運営スタッフとして関わることで、例えば授業を企画することを通して得られる学びもあります。

関わり方によって、得られる学びは異なります。

この学びの場を、改めてどんなことに気をつけて運営していったらいいのか。そんなことを考えている時に、「働く大人のための「学び」の教科書 」に出会いました。

「大人の学び」の学び方は、コンピューターのOSのように、すべての基盤となる考え方である3つの原理(”背伸びの原理”、”振り返りの原理”、”つながりの原理”)、このOSにアプリケーションとして乗っかる7つの行動(”タフな仕事に挑戦”、”本を1トン読む”、”人から学ぶ”、”越境する”、”フィードバックをとりに行く”、”場づくり”、”教えてみる”)から、成立していると著者はいいます。

大ナゴヤ大学の中で授業をつくるメンバーは、企画をしたことがない方がほとんどです。そんなメンバーが最初に企画に挑戦するプロセスは、背伸びの原理にあてはまります。

「背伸び」とは、「現在の能力では少し難しさを感じることで、自らがんばったり、他人の助けを借りれば、実現は不可能ではないこと」を指します。端的に申し上げれば、能力を伸ばすには、意識的に今の能力ではできないことにチャレンジしていくことが求められます。

一方で、「背伸び」といっても何から始めればいいのかわからない、なんてこともあるかもしれません。

「何から始めればいいのか」を考えるときの2つのヒントとして、
 1.楽しみを感じることにチャレンジする
 2.感謝されることにチャレンジする
があると著者はいいます。

大ナゴヤ大学において初めて授業をつくるメンバーには、「一人目の生徒として、自分が受けたいと思う授業をつくってください」と伝えています。

本業の仕事を抱えながら空いた時間を使って企画を進めていくことになるため、大変な部分もあります。最初のスタートを”自分ごと”としてはじめるからこそ、乗り越えていけるのかもしれません。

自分なりの学びのあり方を考えたい方に、おすすめの一冊です。

タイトル:働く大人のための「学び」の教科書

著書:中原 淳
出版社:かんき出版