自分のはたらくは誰に価値を提供してる?〜マーケット感覚を磨く5つの方法〜【はたらく推薦図書 第10回】
価値観の多様化や人口が減少していくなど世の中の構造が変化していく中で、大量生産・大量消費の時代と同じ価値観で仕事をしていくことは少しずつ難しくなってきています。一方で、身の回りの様々な価値に気づき、その価値を提供するサービスを独自に展開する仕事も増えています。社会問題を解決するNPO等が展開しているこれまでになかった事業もそうかもしれません。
このようにこれからの“はたらく”を考えていくうえで、価値について理解することが大事になってくるとおもいブロガーのちきりんさんの『マーケット感覚を身につけよう』を読み始めました。
マーケット(=市場)とは
本書の中でマーケット(=市場)とは、以下のように定義されています。
・ 不特定多数の買い手(需要者)と不特定多数の売り手(供給者)が、
・お互いのニーズを充たしてくれる相手とマッチングされ、
・価値を交換する場所
お金を介在しなくても成り立つ物々交換、就職活動や学校選びなども市場といえます。色々なことが市場化していく中で大事なことは価値について正確に見極める力だ著者は言います。
価値とは何か
モノやサービスそのものには、価値はありません。では、市場で取引されている価値は何なのか。例えば、江戸時代のお米は、今と異なりパンもパスタもなかったので、お米なしの食事は成り立ちません。お米の市場で取引されているものは、お米というモノではなく、「食卓に不可欠な主食」という「価値」になります。
身の回りの市場を見たときに、そこで取引されている価値は何なのか。それを理解できる能力=マーケット感覚が、これからは重要になると著者は言います。
マーケット感覚を鍛える5つの方法
ビジネススクークで学ぶこととは、少し違った視点のマーケット感覚。このマーケット感覚を鍛える5つの方法が本書では紹介されています。
・プライシング能力を身につける
・インセンティブシステムを理解する
・市場に評価される方法を学ぶ
・失敗と成功の関係を理解する
・市場性の高い環境に身をおく
まとめ
これかの時代は、いちはやく変化の兆しに気づき、新しい世界で価値を提供する方法を、市場から(失敗しながら)学ぶことができるかどうかが重要。
NPO業界は、そもそも市場がない分野が多く、誰に対してどんな価値を提供するのかという部分を徹底的に考えさせられます。NPOに限らず企業においても同様、マーケット感覚がますます大事になっていくと感じています。
自分の”はたらく”は、誰に対してどんな価値を提供しているのだろうかと改めて考えたい方には、お勧めの一冊です。
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