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2018-08-04

街のファンをつくること【はたらく推薦図書 第37回】


熱海の奇跡

地元に住んでいる人にまちのオススメの場所を聞くと、「このまちには何もないよ」と返答が返ってくることがあります。ここ名古屋でも「”名古屋城”、”熱田神宮”ぐらいしかないよ・・・。」っと言われることが多かったり、”魅力のない都市No.1”(札幌市、東京都23区、横浜市、京都市など観光地としても人気がある都市と比較しての話ですが)という調査の結果が話題となりました。

地元のことを知る環境がなかったり、住んでいるまちのことを第三者に紹介しなければならない状況を経験(観光の仕事に関わるなど)したことがなければ、伝えることもできないし、積極的に学んでまで伝えようともなりません。

街の中に、その街のファンが生まれる状況を継続的につくり続けること。そんなことが大事なのだと「熱海の奇跡ーいかにして活気を取り戻したのかー」を読んで、改めて感じました。

著書の市来さんは、まちづくりを仕事にすることを決意し、Uターンで熱海に戻った方。まちづくりは「街のファンをつくること」からという考えを持ち、地域の面白い人や地域の課題を取材して発信するサイト「あなみナビ」(※現在は、閉鎖。今ある同名のサイトは全く別のもの)、地元の人が地元を楽しむツアー「オンたま」などを立ち上げて行きます。

その取り組みを通じて、街のファンができ、ファンがサポーターになり、プレイヤーになる、そんないい循環を生みだしていきます。

オンたまは、チャレンジする人が孤立しない場所にしようとも思っていました。チャレンジする人がお互いを支え合い、応援しあうコミュニティをつくる。そんなチャレンジをする人が次々と生まれ育つ苗床をつくりたい、それがオンたまのもう一つの狙いでした。

誰かが何かにチャレンジしたいと思える場所。熱海を再生するには、まずは、これが条件だと思っていたからです。


一方で、街のファンづくりは地道な取り組みで、継続して続けていくことが大事になります。「オンたま」は、”地元の人が地元を知り、地元を楽しむ”という目的が十分に達せられたと感じたこと、持続可能な仕組みになっていないこと、この取り組みだけでは街は変わっていかないと感じことから、終了して次のステップへと進んで行きます。

この続けてきたことを辞めて次のステップに進む決断は、なかなかできません。次のステップとして、「街を再生するリノベーションまちづくり」へと進んでいき、街のファンは、ビジネスからも生みだす仕組みをつくっていきます。(続きは、是非本をお読みください!)

大ナゴヤ大学の活動に置き換えたときに、街のファンができ、ファンがサポーターになり、プレイヤーになっていくという循環がうまく機能していないのでは?という、仮説を持つことができました。

大ナゴヤ大学の活動の次のステップを考えている中で読みはじめた本でしたが、街に関わる仕事や活動してる方に、おすすめの一冊です。

タイトル:熱海の奇跡
著書:市来広一郎
出版社:東洋経済新報社